ラランド21185

ラランド21185

ラランド21185は、地球から約8.21光年離れた場所に位置する恒星です。1801年に天文学者ジェローム・ラランドによって発見され、変光星（閃光星）としても知られています。この恒星の周辺には惑星が存在する可能性が指摘されており、もし確認されれば、プロキシマ・ケンタウリ系やバーナード星系に次いで、太陽系から3番目に近い惑星系となります。

名称

ラランド21185は、学術論文では「グリーゼ411 (Gliese 411)」、「HD 95735」とも呼ばれます。1857年には、フリードリヒ・ヴィルヘルム・アルゲランダーによって大きな固有運動が発見され、「Argelander's second star」とも呼ばれました。ちなみに、「Argelander's star」は、1842年にアルゲランダーが大きな固有運動を発見したグルームブリッジ1830です。

恒星としての特徴

ラランド21185は、太陽系に近い恒星としては、アルファ・ケンタウリ三連星、バーナード星、ウォルフ359に次ぐ存在です。この恒星は低温の赤色矮星であり、質量と直径は太陽の約36%、可視光での明るさは180分の1程度です。質量は太陽の46%と、赤色矮星と橙色矮星の境界付近に位置するため、橙色矮星と見なされることもあります。この恒星がどちらに分類されるかは、最終的に赤色巨星を経て白色矮星になるか（橙色矮星）、赤色巨星を経ずに直接白色矮星になるか（赤色矮星）によって決まりますが、その結論が出るのは非常に未来のことでしょう。

ラランド21185は変光星でもあり、りゅう座BY型変光星として登録されています。このカタログでの名前は「NSV 18593」です。また、閃光星としても知られており、X線の放射も観測されています。ただし、他の閃光星に比べると、比較的穏やかな活動であると報告されています。

惑星系

2017年以降の発見報告

2017年、リック・カーネギー系外惑星サーベイのチームは、ラランド21185の周囲に惑星候補を発見したと報告しました。この惑星は、ケックI望遠鏡を用いた視線速度の測定によって発見され、公転周期は約9.9日、下限質量は地球の3.8倍とされています。この惑星が受ける放射エネルギーは、地球が太陽から受けるエネルギーの5.3倍と推定されています。

ラランド21185のハビタブルゾーンは、主星から約0.22天文単位の位置にあり、もしこの領域に惑星が存在すれば、公転周期は56日以下になるでしょう。2019年の観測では、約9.9日周期の変動は確認されず、代わりに約13日周期の変動が検出されました。この変動に対応する惑星候補ラランド21185bは、下限質量が地球の3.0倍、軌道長半径が0.0785天文単位と推定されています。もしこの惑星が確認されれば、ラランド21185系はプロキシマ・ケンタウリ系に次いで太陽系から2番目に近い惑星系となる可能性があります。

さらに、2021年には、2番目の惑星ラランド21185cが発見されました。この惑星は3190日の公転周期を持ち、主星から3.1天文単位の距離を公転しています。

以前の発見報告

1951年には、ピート・ファンデカンプとサラ・リッピンコットがアストロメトリー法によって惑星の発見を報告していました。しかし、後の観測でこの報告は否定されています。また、1996年には、ジョージ・G・ゲートウッドがラランド21185に複数の惑星系が存在する可能性を報告しました。この報告では、木星型あるいは天王星型の惑星が複数存在するとされましたが、その後の観測では確認されておらず、一般の系外惑星リストには掲載されていません。

2019年の観測では、ファンデカンプとリッピンコットが報告した惑星は検出されず、ゲートウッドが報告した惑星に関しても、視線速度の変動が観測されなかったため、存在の可能性は低いと考えられています。

出典

国立天文台・天文ニュース (41) 太陽近くの恒星に惑星存在か
SolStation.com Lalande 21185（英語）

関連項目

近い恒星の一覧
ラランド - この星の名前を由来とするお笑いコンビの名前。

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