リデル級原子力駆逐艦

リデル級原子力駆逐艦

リデル級原子力駆逐艦は、ロシア海軍が将来的に運用を目指している原子力推進の駆逐艦です。一時的に計画が中断されたという情報もありましたが、現在も開発は継続されていると考えられています。

開発経緯

2013年に建造が承認され、2015年には建造契約が締結されました。当初は9隻の同型艦が建造される計画で、ロシア海軍の北方艦隊に配備される予定でした。しかしその後、兵器計画の見直しにより一時的に装備品一覧から削除されたものの、計画自体は中止されていないとされています。

設計

本級の排水量は19,000トンと見込まれており、アメリカ海軍のズムウォルト級ミサイル駆逐艦や中国海軍の南昌級駆逐艦、海上自衛隊が計画しているイージス・システム搭載艦など、航空母艦や強襲揚陸艦を除く多くの大型水上艦を上回る規模となります。現役の大型水上艦で本級を超えるのは、ロシア海軍のキーロフ級ミサイル巡洋艦のみと考えられています。

船体はステルス性を重視した設計が採用される見込みです。

機関は原子力推進方式で、最大速力は32ノットとされています。

装備

兵装

防空システム: S-500「プロメテーイ」対空ミサイルの艦載型を搭載する予定です。S-500は弾道ミサイル防衛（BMD）能力も有するため、本級は限定的なBMD任務にも対応できる可能性があります。
対艦・対地攻撃: 3S14 VLS（垂直発射システム）を搭載し、「カリブル」巡航ミサイル、「オーニクス」超音速対艦ミサイル、そして「3M22 ツィルコン|3M22_ツィルコン」極超音速巡航ミサイルなど、多様なミサイルを運用可能にします。当初は100セル以上のUKSK（多目的垂直発射機）を搭載するとされていましたが、2020年時点では8セル型のUKSKを8基、合計64セル搭載するとされています。
対潜武器: SM-588魚雷発射管を4連装4基、または連装6基搭載すると予想されています。この発射管は短魚雷だけでなく、「パケート-NK」対潜ミサイルも発射できます。また、UKSKに搭載可能な「91RTE2」対潜ミサイルと合わせて、潜水艦に対する遠距離攻撃能力を高めます。さらに、艦載ヘリコプターKa-27を2機搭載可能です。
主砲: A-192 130mm単装砲を装備します。公開された模型では、同型砲を搭載するアドミラル・ゴルシコフ級フリゲートに搭載されているGFCS（射撃管制システム）である5P-10が確認できないことから、新しいGFCSが搭載される可能性があります。
CIWS（近接防御システム）: 「パーンツィリ-M」を3基搭載します。「パーンツィリ-M」は「パーンツィリ-S1」の艦載型で、AO18KD 30mm多銃身機関砲2基と57E6-E近接防空ミサイル8発で構成される複合システムです。
ミサイル防御: KT-308-05デコイ発射機2基と、KT-216またはPK-10系デコイ発射機8基で構成される自己防御システムを装備します。

登場作品

漫画: 『空母いぶき GREAT GAME』に、原子力空母「シビリャコフ」を旗艦とするロシア海軍北方艦隊所属艦として登場します。
ゲーム: 『Modern Warships』に、プレイヤーが操作可能な艦として登場します。

まとめ

リデル級原子力駆逐艦は、ロシア海軍の将来を担う重要な艦艇となることが期待されています。その巨大な船体と先進的な兵装は、世界の海軍にとって大きな脅威となる可能性を秘めています。

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