レーモン7世 (トゥールーズ伯)

レーモン7世の生涯と業績

レーモン7世（Raymond VII de Toulouse）は、1197年に誕生し、1249年に亡くなるまでの間、トゥールーズ伯として数々の歴史的な出来事に関与しました。彼はレーモン6世とイングランド王女ジョーンの子であり、母方の祖父はイングランド王ヘンリー2世でした。これにより、彼の家系はフランスとイングランドの両方に影響を与える存在となりました。

政治的背景

1215年、第4ラテラン公会議で父レーモン6世は全ての領土を失い、その大部分はシモン・ド・モンフォールに譲渡されました。この出来事は、フランス王フィリップ2世に対する敬意を示すものでした。モンフォールへの領土移譲は、トゥールーズ家にとって非常に厳しい状況を生むものでした。レーモン7世の若い頃には、アルビジョワ十字軍の影響を受けながらも、彼自身も一戦を交えることとなります。

1216年、父レーモン6世とともにマルセイユに上陸し、モンフォールの守備隊がいるボーケールの城を包囲しました。この戦いは後にトゥールーズ家にとって重要な勝利として記憶され、レーモンと父は勢力を回復し始めました。彼らの攻撃はオクシタニアにおけるモンフォールの初敗北となりました。

トゥールーズ伯としての統治

1222年に父が亡くなると、レーモン7世はトゥールーズ伯としての地位を引き継ぎました。彼はその後、アモーリー6世・ド・モンフォールとの戦いを指揮し、失われた領土を回復しようとしました。その努力は、当時の大ラングドックにおける政治的状況に大きな影響を与えました。1224年9月には、アルビジョワ十字軍が降伏し、南フランスの領主たちは教会と平和条約を結ぶことになりましたが、レーモン7世は異端カタリ派との戦いを迫られました。

1230年代に入ると、王権との間での緊張が高まり、彼はフランス王ルイ8世に降伏し、パリ条約の締結に至ります。これによって彼はトランカヴェル子爵領を王に譲渡することとなり、さらに一人娘ジャンヌの結婚を条件にされました。この条約は彼の政治的立場を一層危うくするものでしたが、彼はフォワ伯と提携することで反抗的な姿勢を見せ続けました。

晩年と死

1242年のタイユブールの戦いで敗北した後、レーモン7世は再びルイ9世に臣従を誓いました。1248年にはルイ9世の参加する第7回十字軍を利用して自らの領土を回復すべく画策しましたが、彼は病に倒れ、1249年に54歳で亡くなりました。彼の死後、伯位は娘婿のアルフォンスに継承され、最終的にはフランス王領に併合されました。

子女と結婚

レーモン7世は1211年、アラゴン王女サンシーと結婚し、1220年には一人娘ジャンヌをもうけました。その後、1241年に彼はサンシーと離婚し、プロヴァンス伯女との再婚を試みましたが、教皇の承認を得ることができませんでした。最終的にレーモン7世はマルグリット・ド・リュジニャンと結婚しましたが、この結婚も近親婚によって無効とされました。

彼は母の眠るフォントヴロー修道院に埋葬され、彼の生涯とその影響力はフランス南部の歴史において重要な位置を占めることとなりました。

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