ローラン・ンクンダ

ローラン・ンクンダ・マホロ・バトワレ：コンゴ民主共和国の反政府勢力指導者

ローラン・ンクンダ・マホロ・バトワレ（Laurent Nkunda Mahoro Batware, 1967年2月2日 - ）は、コンゴ民主共和国で活動する反政府勢力の指導者です。彼は、ルワンダ愛国戦線の元兵士であり、コンゴ軍の将校でもありました。

生い立ちと初期の軍歴

ンクンダの生い立ちは詳細には分かっていませんが、旅券情報によるとルツルで生まれたとされています。ルワンダ紛争の時期にルワンダで心理学を学んでいたとされ、ルワンダ愛国戦線に参加し、自らをツチと名乗るようになりました。第一次コンゴ戦争では、モブツ・セセ・セコ政権を打倒するためにローラン＝デジレ・カビラを支援するコンゴ・ザイール解放民主勢力連合 (AFDL) に加わりました。

反政府勢力としての台頭

1998年2月、ウガンダとルワンダの支援を受けたバニャムレンゲ勢力などがキヴで蜂起し、コンゴ民主連合 (RCD) を結成すると、ンクンダもこれに加わりました。RCDが分裂すると、ルワンダが支援するゴマ派に属し、北キヴ地方を支配下に置いてコルタンなどを略奪しました。ローラン・カビラの暗殺後、第二次コンゴ戦争の和平協定に従い、2003年にはコンゴ暫定政府軍に合流し、2004年には将軍となりました。彼は第81旅団と第83旅団の2つの旅団を指揮下に置かれました。しかし、ンクンダはすぐにマシシの森に潜伏して反政府活動を再開し、5月にはブカヴを占領しました。2004年11月にはルワンダ軍の侵入も報告されています。2005年には国際連合安全保障理事会決議第1596に基づき、「コンゴ民主共和国に対する武器禁輸措置等に違反した者等」として資産凍結等の措置の対象となりました。アムネスティ・インターナショナルは2006年に少年兵の問題を報告しています。

政府との対立と逮捕

2008年1月23日に和平協定に合意したものの、2008年10月にはコルタンの採掘権を中華人民共和国に売却したジョゼフ・カビラを「腐敗している」などと主張して、人民防衛国民会議 (CNDP) を率いてルマンガボの政府軍基地を奪取し、ゴマに向けて侵攻しました。ンクンダは停戦を宣言しましたが戦闘は継続し、11月8日にはゴマの北約70kmのキワンジャで、ンクンダ軍による虐殺が報告されました。

2009年1月19日、CNDPのボスコ・ンタガンダ参謀長が、戦争犯罪等の罪を問わないことを条件に政府軍に投降しました。側近の裏切りは、ンクンダにとって大きな打撃となりました。同年1月23日、ルワンダ政府によって、ンクンダは同国領内で逮捕されました。現在、彼の指揮下にある兵士約1500名の動向が注視されています。

関連項目

* コンゴ内戦

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