ヴィミー

ヴィミー：フランスから日本へ、栄光と伝説の競走馬

1952年生まれのサラブレッド、ヴィミーはフランスで競走馬としての華々しいキャリアをスタートさせました。所有者は実業家のピエール・ヴェルテメール氏、調教師は名匠アレック・ヘッド氏という恵まれた環境で、ヴィミーは才能を開花させていきます。

2歳シーズンは2戦に出走し、1勝を挙げ、早くからその素質の片鱗を見せつけました。3歳になると、実力をいよいよ開花させます。メゾンラフィット競馬場のラグランジェ賞でデビュー戦を勝利で飾り、続くロンシャン競馬場のノアイユ賞も制覇しました。勢いに乗って挑んだジョッケクルブ賞では惜しくも僅差で敗れましたが、その実力を証明するレースとなりました。

そして、ヴィミーのキャリアにおける最大の舞台が訪れます。イギリス、アスコット競馬場で行われたキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスです。このレースは当時のイギリスで最高額の賞金23,000ポンドが懸けられており、エプソムダービー優勝馬フィルドレイクなど強豪が揃っていました。ヴィミーは11倍という単勝オッズを付けられ、決して有利な立場ではありませんでしたが、レースでは最後の直線で驚異的な末脚を見せます。絶望的な位置から外を回って先頭に躍り出ると、アタマ差で勝利を掴み取りました。外国馬の優勝は史上初という快挙でした。

キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス制覇後、セントレジャーステークスやワシントンDCインターナショナルへの参戦も検討されましたが、ヴィミーは競走馬としてのキャリアに幕を閉じます。

引退後はアイルランドのアイリッシュ・ナショナルスタッドで種牡馬としての第二の人生を始めました。そこで、ヴィミーは数々の優秀な産駒を残します。特に有名なのは、1963年のエクリプスステークスを制したカーキスです。他にも、日本ではショウフウミドリ（宝塚記念）、パッシングゴール（関屋記念、新潟記念）、スピーデーワンダー（阪神大賞典）といった活躍馬を輩出しました。

1964年には日本へと輸出され、日本の競馬界にも貢献したヴィミーは、1980年8月11日に日本にてその生涯を終えました。

フランスで輝きを放ち、イギリスで歴史的快挙を達成し、そして日本でその血を受け継ぐ名馬を生み出したヴィミー。競走馬としての卓越した能力と種牡馬としての成功は、競馬史に永遠に刻まれる偉大な功績と言えるでしょう。その名前は、多くの競馬ファンにとって、今もなお伝説として語り継がれています。

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