万代 (新潟市)

新潟県新潟市中央区に位置する町字に「万代（ばんだい）」があります。現在の行政地名は万代一丁目から万代六丁目を数え、住居表示が実施されている区域です。この地の郵便番号は950-0088となっています。

万代の成り立ちは、昭和時代初期にさかのぼります。大河津分水路の開通に伴って実施された信濃川下流部の改修事業によって、広大な埋立地が造成されました。このうち、萬代橋よりも下流にあたる信濃川右岸側の区域と、萬代橋東詰周辺の地域を基盤として、1968年に住居表示の施行に合わせて「万代」という町名が付与され、今日の一丁目から六丁目の区分が設けられました。

地理的には、新潟駅の万代口方面と古町地域の中間点に位置しており、新潟市の都心部を形成する「にいがた2km」と称されるエリア、すなわち新潟駅前・万代・古町を結ぶ軸線上に位置しています。特に、万代一丁目から八千代にかけて広がる一帯には、新潟交通が手掛ける大規模な商業施設群「万代シテイ」が立地しています。これは、かつて同社のバス運行拠点であった場所を、1970年代前半から再開発した結果生まれたものです。開発当初、万代シテイを含むこの地域は、古くからの中心市街地である古町に対して「新潟市の新都心」とも謳われ、その発展への期待が込められていました。

現在、万代シテイやその周辺地区を含めて「万代」という通称で呼ばれることが多く、古町地域と並んで新潟経済を牽引する重要な中心地の一つとしての役割を担っています。2008年に策定された中心市街地活性化基本計画では、「万代地区」として市の重点活性化地区の三つのうちの一つに位置づけられました。また、同じく2008年策定の新潟市都市計画基本方針（都市計画マスタープラン）においても、「万代周辺地区」として都心の一つに位置づけられており、2018年に公表された「新潟都心の都市デザイン」でも都心軸上に明確に位置づけられるなど、都市計画上もその重要性が認識されています。

万代地域はその範囲内で多様な顔を持っています。一丁目には、万代シテイバスセンターがあり、路線バスや高速バスの発着拠点として多くの人々が行き交います。ここには新潟アルタや、ラブラ万代、ラブラ2といった大型商業施設が集積しており、ロフトや紀伊國屋書店、ユニクロなど様々なテナントが入居し賑わっています。二丁目はかつて国土交通省新潟総合庁舎がありましたが、機関移転により跡地利用が注目されています。また、地元家電量販店跡地は結婚式場として生まれ変わりました。三丁目と四丁目は、萬代橋通りや東港線沿いを中心にオフィスビルが立ち並ぶビジネスエリアの様相を呈しています。特に三丁目には、2013年に開業した新潟日報社の本社機能や文化施設などを備えた高層複合ビル「新潟日報メディアシップ」がランドマークとしてそびえ立っています。五丁目や六丁目には、ANAクラウンプラザホテル新潟のような宿泊施設や、個性的な飲食店なども見られます。

交通アクセスも万代の重要な機能の一つです。地域内には国道113号（東港線）、国道345号、国道350号といった主要国道に加え、新潟県道1号や県道33号（萬代橋通り）などの県道が通っています。市道としては、ガルベストン通りや万代シテイ通りがあり、これらは歩行者利便増進道路（ほこみち）に指定され、快適な歩行空間整備が進められています。公共交通の中心は何といっても万代シテイバスセンターで、BRT萬代橋ラインを含む多数の路線バスや高速バスが集まります。また、信濃川を利用した水上バス、信濃川ウォーターシャトルも万代シテイ前にのりばがあり、新たな交通手段として利用されています。

万代は多くの町字と隣接しています。北側から時計回りに、万代島、三和町、天明町、東万代町、東大通、弁天、八千代といった地域と接しています。さらに、信濃川を挟んで下大川前通や川端町とも向かい合っています。

かつて流作場の一部であったこの地は、埋立地としての歴史を経て、現在は商業、ビジネス、交通の結節点として、新潟市の顔とも言える活気ある地域へと発展を遂げています。大型商業施設の開業などの歴史を経て、新潟市の中心機能の一翼を担っています。

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