三人の母

三人の母

『三人の母』は、1968年9月30日から1969年3月29日までTBSの「ポーラテレビ小説」枠で放送された連続テレビドラマです。全156回の放送で、白黒作品として制作されました。

概要

本作は、「ポーラテレビ小説」の記念すべき第1作です。昭和期の書道界の重鎮、冲六鵬の自伝を原案としており、養母、継母、実母という3人の母を持つ運命を背負った少年が、厳しい社会の中で成長していく姿を描いています。当時のテレビドラマとしては珍しく、ヒロインに実績のある女優を起用しており、新人女優の起用は2作目以降に見られるようになりました。

物語

物語は明治34年（1901年）の静岡から始まります。尋常小学校に入学した6歳の和一は、それまで名乗っていた鈴木姓が冲姓に変わっていることに戸惑いを覚えます。それは、養父である米吉が病に倒れ、生活が困窮したため、実父である今吉のもとに引き取られることになったからでした。和一は、深く愛していた養母ときとの別れを悲しみながらも、新しい生活を受け入れようとします。実父の家で和一を迎えたのは、継母であるいねでした。いねは和一に優しく接する一方で、躾には厳しく、和一は戸惑いを隠せません。さらに、焼津には事情があって別れた実母つまがいることを知らされ、幼い心は複雑に揺れ動きます。3年後、和一は突然宮城家に預けられますが、翌年には再び冲家に戻るなど、数奇な運命をたどります。3人の母たちは、それぞれの立場で和一を愛し、その人生に深く関わっていくのです。

キャスト

つま（実母）：加藤治子
いね（継母）：馬淵晴子
とき（養母）：千之赫子
冲和一（6 - 8歳）：高野浩幸
冲和一（9 - 12歳）：長谷川浩
冲和一（13 - 15歳）：小林芳宏
冲和一（16 - 19歳）：池田秀一
冲今吉：二谷英明
清兵衛：伊志井寛
鈴木米吉：高松英郎
冲豊吉：犬塚弘
宮城鉄太郎：土屋嘉男
まつ：宝生あやこ
しか：田村奈巳
服部先生：福田豊土
北山の伯父：野々村潔
北山の伯母：文野朋子
新聞屋の主人：中村梅之助
その妻：原知佐子
金太：宍戸錠
国さん：常田富士男
栄さん：三角八郎
孝太：服部良次
新一：清水綋治
お清：大谷直子
金谷の伯父：中島元
御油の伯母：石井富子
池田：林隆三
加藤主任：塚本信夫
錦：親桜子
弓子：大原麗子
とり：松本狭霧
みつ：矢代京子
おきん：益井千登勢
勝子：柳京子
とおる：佐藤雅一
竹田：穴井寛二
笹原：山本紀彦
銀ちゃん：池田鴻
増井：竹尾智晴
車屋の親方：如月寛多
二代目尾上九朗右衛門
安部徹
柳生博
本山可久子
西岡慶子
島田多恵子（島田妙子）
高島敏郎
加藤久美子
ナレーター：芦田伸介

スタッフ

原作：冲六鵬
脚本：木下惠介、楠田芳子
演出：龍至政美、坂崎彰、佐藤虔一、内野建
音楽：冨田勲
プロデューサー：宮武昭夫、山本典助、宇治正敏
制作協力：東通

参考資料

* 「テレビジョンドラマ」（放送映画出版）

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