三戸寿 (海軍軍人)

三戸寿

三戸寿（みと ひさし、旧字体：三戶壽、1891年11月9日 - 1967年5月17日）は、日本の海軍軍人です。最終階級は海軍中将であり、海軍省廃止時の海軍次官を務めました。彼は潜水艦の権威者として知られています。

生い立ちと海軍入隊

三戸寿は、現在の広島県広島市で、村長であった三戸恭平の長男として生まれました。1912年に旧制修道中学校（現在の修道中学校・高等学校）を卒業後、1914年12月に海軍兵学校（42期）を卒業し、海軍軍人としての道を歩み始めました。

潜水艦乗りとしてのキャリア

1921年11月、海軍水雷学校高等科を卒業（海軍大尉）し、潜水艦乗りとしての専門知識を深めました。1924年には呂27潜水艦長に就任し、潜水艦の指揮官としての経験を積みました。1927年には海軍大学校（甲種25期、海軍少佐）を卒業し、さらに高度な戦略・戦術を学びました。

その後、呂67潜水艦長、伊51潜水艦長、連合艦隊参謀などを歴任し、1931年に海軍中佐に昇進。第7潜水隊司令などを務め、1936年に海軍大佐となりました。1940年には「香取」艦長に着任しています。

太平洋戦争と終戦

1941年、第六艦隊参謀長に転じ、太平洋戦争開戦を迎えました。1942年には第一潜水戦隊司令官・海軍少将に昇進し、潜水艦部隊を指揮しました。1943年には海軍省人事局長に就任し、海軍の人事政策に携わりました。1945年5月には第四特攻戦隊司令官となり、終戦を迎えました。

海軍次官とその後

終戦後の1945年11月1日、いわゆる「ポツダム昇進」によって海軍中将に昇進。同年11月20日には海軍次官に就任しましたが、11月30日の海軍省廃止に伴い予備役編入となりました。その後、12月1日からは第二復員省次官を務め、同庁が廃止される1946年6月15日までその職務に当たりました。

公職追放と戦犯裁判

1947年11月、公職追放の仮指定を受けました。また、戦時中に日本海軍潜水艦が商船を撃沈した際、捕虜となった乗務員が殺害された事件に関し、昭和18年3月20日付の第一潜水戦隊命令で乗務員の「徹底的撃滅」を指示したとして、戦争犯罪の疑いで戦犯裁判にかけられました。三戸は命令書は偽造されたものだと主張しましたが、1948年12月に禁固8年の判決を受け、1955年2月に釈放されました。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。
佐々木半九、今和泉喜次郎『決戦 特殊潜航艇』朝日ソノラマ、1984年。ISBN 4-257-17047-6。

関連項目

修道中学校・高等学校の人物一覧
海軍兵学校卒業生一覧 (日本)

もう一度検索