三条実量

三条実量（さんじょう さねかず）は、室町時代前期から中期にかけて活躍した公卿です。右大臣である三条公冬を父に持ち、その家柄と才能によって、数々の要職を歴任しました。

実量の官職歴は以下の通りです。

永享元年（1429年）以前 - 永享4年3月（1432年4月）：左近衛中将
永享3年（1431年） - 永享4年3月（1432年4月）：越中権守
永享4年3月（1432年4月） - 永享4年7月25日（1432年8月21日）：権中納言
永享4年7月25日（1432年8月21日） - 宝徳2年6月27日（1450年8月4日）：権大納言
文安4年3月24日（1447年5月8日） - 宝徳3年3月（1451年4月）：右近衛大将
宝徳2年6月27日（1450年8月4日） - 享徳元年10月（1452年11月）：内大臣
康正2年6月17日（1456年7月19日） - 康正2年9月（1456年9月）以前：右大臣
長禄3年12月8日（1460年1月1日） - 長禄4年7月27日（1460年8月13日）：左大臣

これらの官職歴から、実量が着実に昇進を重ねていった様子がうかがえます。特に、権大納言を18年近く務めた後、内大臣、右大臣、そして左大臣へと昇進したことは、彼が朝廷内で重きをなしていたことの証左と言えるでしょう。

また、実量の位階歴は以下の通りです。

永享元年8月30日（1429年9月28日）：従三位
永享2年正月6日（1430年1月30日）：従二位
永享12年正月6日（1440年2月9日）：正二位
享徳2年正月5日（1453年2月13日）：従一位

位階も官職と同様に、順調に上昇していったことがわかります。最終的には従一位にまで昇りつめており、その功績の大きさを物語っています。

実量の系譜は以下の通りです。

父：三条公冬（1391-1459）
母：不詳
妻：正親町三条実雅の娘
男子：三条公敦（1439-1507）
女子：三条冬子（1441-1489）
生母不明の子女
男子：大炊御門信量（1442-1487） - 大炊御門信宗の養子
男子：公顕
男子：公助
男子：宗一
* 女子：水無瀬季兼室

嫡男である三条公敦も公卿として活躍し、家名を継承しました。また、娘の三条冬子は、その教養の高さから後土御門天皇の典侍として仕え、皇子を産んでいます。実量は、子女を通じて朝廷との結びつきを強固なものにしたと言えるでしょう。

実量の業績や人となりを詳細に知るための資料としては、『公卿補任』が挙げられます。この書物には、実量の官職歴や位階歴、系譜などが詳しく記載されており、彼の生涯を辿る上で貴重な情報源となります。

三条実量は、室町時代前期から中期にかけて、公卿として朝廷に仕え、数々の要職を歴任し、家名を高めた人物です。彼の生涯は、当時の公家社会における立身出世の典型的な例と言えるでしょう。

もう一度検索