三角山 (鳥取県)

三角山 (三隅山)

三角山（別名: 頭巾山・襟巾山）は、中国百名山の一つであり、鳥取県鳥取市（旧用瀬町）に位置しています。山の標高は516メートルで、その頂には三角山神社があります。この神社は鳥取市の指定文化財に指定されています。

地理

三角山は旧用瀬町の中心部にあり、南には洗足山と峰をなしています。このエリアは珍しい花崗岩から成り立っており、特に侵食によって山頂近くは三角形に鋭く尖っています。青々としたアカマツの森や、巨岩が点在する風景が広がります。山の東麓を流れる川は鳥取県の主要な河川である千代川で、支流の佐治川との合流地点近くに用瀬町の市街があります。一方、西麓では赤波川が北へ流れ、大きな平野が広がり、その中に鷹狩地区（旧鷹狩村）の集落があります。三角山の北麓には標高325メートルの峰があり、戦国時代には景石城が築かれ、そのためこの山は「お城山」とも呼ばれています。

山名の起源

三角山の名称については、いくつかの由来があります。まず、山頂にある三角山神社の社伝によれば、天孫降臨の際に猿田彦命がこの山に住んでいたことから「御栖山」と名付けられ、その後「三角山」となったとされています。一方、『因幡志』によれば、山の形状が山伏がかぶる三角形の頭巾に似ているため「襟巾山」として知られていたと伝えられています。

三角山神社について

この地域は古くから山岳信仰の中心地であり、三角山は「滝社峰錫権現」として知られ、江戸時代には鳥取藩の祈願所も設けられました。かつては女人禁制のしきたりがありましたが、それにもかかわらず多くの人々が山や神社を「峰錫さん」と親しんでいました。祭りは毎年8月24日に行われ、用瀬の滝祭りとして知られるイベントに成長しましたが、最近では7月23日に日程が変更されました。祭りでは名物の「あめ湯」や松明行列が行われ、地域の人々に楽しまれています。

明治時代には神社体系が整理され、「三角山神社」と名付けられました。山麓には昔の女人堂が残っており、現在でもその場所からは女性が参道を歩くことができます。山頂の本殿は1626年に再建されたという記録があり、現在の本殿は1845年に建てられており、1976年に旧用瀬町の指定文化財に認定されました。祭神は猿田彦大神です。

景石城とその歴史

三角山の北側には、標高325メートルの部分に戦国時代の景石城の跡が残っています。この城は地域の権力者たちが戦った舞台で、太平記にも登場しています。特に、豊臣秀吉の軍と戦う際には磯部康氏が守将を務め、この城は「磯部城」とも呼ばれました。磯部氏は後に鳥取城攻めで功績を上げ、用瀬周辺の発展に寄与しましたが、徳川政権下で所領を失いました。城の跡地は史跡として保護されています。

登山の楽しみ

三角山はハイキングコースが整備されており、参道が登山道に変わります。用瀬駅からは20分ほどで参道の入口にたどり着き、そこから山頂までは約40分です。参道沿いには昔の詩人にちなんだ歌碑も点在しており、訪れる人々に文化的な刺激を与えています。

文学と三角山

三角山は多くの文学作品にも取り上げられています。平安時代の在原行平が詠んだ歌は、その代表例の一つです。さらに種田山頭火による「分け入っても分け入っても青い山」という自由律俳句も有名で、彼がこの山を訪れたことがあるとの伝説も残っています。これに関連して、三角山はその美しい自然と文化的な背景から、訪れる人々に深い印象を与えています。

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