三遊亭圓歌 (4代目)

四代目 三遊亭圓歌

四代目 三遊亭圓歌（さんゆうてい えんか、1959年4月8日 - ）は、鹿児島県出身の落語家であり、落語協会に所属しています。本名は野間賢。独特の鹿児島弁を駆使した落語で注目を集め、人気を博しています。出囃子は『二ツ巴』。名跡「三遊亭圓歌」の当代であり、前名は三遊亭歌之介。

生い立ちと少年時代

圓歌は鹿児島県肝属郡錦江町（旧大根占町）で生まれました。幼少期に両親が離婚し、母親に連れられて鹿児島へ帰郷。家計を支えるため、母親は出稼ぎに行き、圓歌は祖母に預けられました。幼い頃から寂しさを感じていた圓歌は、母親が恋しく、親戚を見ては「早く死んでしまえば母が帰ってくるのに」と思っていたそうです。後に、母親が遠方の大阪に出稼ぎに行ったことを問い詰めた際、母親が涙ながらに後悔したというエピソードは、自伝落語『母ちゃんのアンカ』にも描かれています。

冷え性で夜尿症に悩まされていた圓歌のために、母親が贈った電気あんかは、彼の少年時代の象徴的な思い出です。神川小学校、神川中学校を経て大阪市立汎愛高等学校を卒業しました。

落語家としての道

1978年、三代目三遊亭圓歌に入門し、前座名「歌吾」を名乗ります。1982年に二ツ目に昇進し、「きん歌」を襲名。アパートの廊下で独演会を開き、家賃滞納分を払うなど、苦労を重ねながら腕を磨きました。1985年には若手演芸大賞最優秀二つ目賞を受賞。1987年、自作の新作落語『寿の春』で真打昇進試験に合格し、「歌之介」として真打に昇進しました。

1988年には鹿児島県で1日14箇所でのミニ独演会を敢行し、1990年には鹿児島県より「さつま大使」を拝命するなど、地元との繋がりを大切にしています。

2019年3月、師匠の名跡である「三遊亭圓歌」を四代目として襲名。出囃子を先代と同じ「二つ巴」に変更しました。

人物とエピソード

圓歌は、師匠である三代目圓歌を深く敬愛しており、その小柄な体格をネタにすることがあります。また、母親とのエピソードも多く、その独特な鹿児島弁でのやり取りは、多くの観客を笑わせています。

妻も鹿児島県出身で、その天然な性格からくるエピソードも、圓歌の落語のネタになっています。息子はプロゴルファーの石川遼と同い年であることも明かしています。

弟子との確執

圓歌は、元弟子の吉原馬雀との間で深刻な確執がありました。馬雀は圓歌の落語に憧れて弟子入りしましたが、入門後、圓歌からパワハラを受けたと主張しています。この問題は、2022年に週刊誌で報道され、大きな波紋を呼びました。

その後、圓歌は馬雀を破門し、落語協会の理事を辞任。馬雀は圓歌を相手取り訴訟を起こし、裁判所は圓歌に賠償を命じる判決を下しました。この一件は、落語界におけるハラスメント問題として、大きな議論を呼びました。

芸風

圓歌の芸風は、汗が滲むほどの熱弁と、素っ頓狂な声色、大袈裟な身振りが特徴です。自作の新作落語を中心に、ブラックジョークや駄洒落を交えながら、観客を魅了します。古典落語にも精通しており、スーツ姿で漫談をすることもあります。

鹿児島県では、年に一度、年始に鹿児島弁で演じた落語会の収録映像がテレビ放映され、CDやテープなどの販売も鹿児島弁のものが多いです。新作落語の多くは、自身の体験談を基にしており、少年期の思い出を鹿児島弁で語るスタイルが人気を集めています。

主な新作落語

お父さんのハンディ
寿の春
爆笑龍馬伝
B型人間
ばっばんとでんきんたま
母ちゃんのアンカ

主な出演

テレビ番組
らくごin六本木
笑いがいちばん
桂米丸の演芸図鑑
桂文枝の演芸図鑑
浅草お茶の間寄席
笑点
CM
酒のエース（宮崎ローカル）
焼酎おやっとさぁ
西日本シロアリ
月乃屋の薩摩揚げ（ラジオCM）
税理士法人 安心資産税会計
映画
ひっとべ
北辰斜にさすところ
チェスト!

著書

『月ば撃つぞ! ― 落語家歌之介がゆく』（2009年、うなぎ書房）

弟子

二ツ目：三遊亭歌実
元弟子
破門：三遊亭天歌（四代目吉原朝馬に再入門）
廃業：三遊亭ありがとう（現：鶴沢卯太吉）、三遊亭しあわせ、三遊亭歌りん（瀧川鯉三郎）

まとめ

四代目三遊亭圓歌は、その波乱万丈な人生経験と、独特な鹿児島弁を駆使した落語で、多くのファンを魅了し続けています。師匠への敬愛、弟子との確執、数々のエピソードは、彼の人間味溢れる魅力を際立たせています。

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