中央民族大学とは？意味をやさしく解説

中央民族大学

中央民族大学（Minzu University of China）は、中華人民共和国の首都・北京に本部を置く国立大学です。1951年に創立され、中国の少数民族教育における最高学府としての役割を担っています。大学の略称は「民大」で、国家民族事務委員会が管轄する国家重点大学でもあります。

大学の概要

中央民族大学は、北京市の海淀区に位置し、中国の国家重点大学建設プロジェクトである「985工程」や「211工程」のメンバー校にも選ばれています。この大学の使命は、中国に存在する56の民族全てから優秀な人材を育成することです。学生数は約1万6千人にのぼり、その約7割が少数民族の学生で占められています。

歴史

中央民族大学の起源は、1941年に延安に設立された延安民族学院に遡ります。1951年 6月11日に北京で中央民族学院が正式に設立され、初代学長にはウランフ（モンゴル族）が就任しました。当初は民族学、社会学、言語学の研究が中心でしたが、1980年代には科学系の学部も充実し、1993年に中央民族大学へと名称を変更しました。2001年には、朱鎔基総理が大学を視察し、「世界トップクラスの民族大学」を目指すよう指示しました。2015年には「中央民族大学憲章」が制定され、大学は「世界的知名度かつ鮮明な教育特色を持つ、ハイレベルの研究型大学」を目指す総合改革を推進しています。

学部構成

中央民族大学は、多岐にわたる分野の学部を擁しています。以下に主な学部を紹介します。

民族学と社会学学院
世界民族学人類学研究センター
中国少数民族事業発展協同創新センター
中国少数民族語言文学学院
少数民族語言文学系
モンゴル語言文学系
ウイグル語・カザフ語言文学系
朝鮮語言文学系
経済学院
管理学院
法学院
チベット学研究院
音楽学院
美術学院
舞踊学院
生命と環境科学学院
理学院
情報工学院
国際教育学院
外国語学院
文学院
ジャーナリズムとコミュニケーション学院
哲学と宗教学学院
教育学院
継続教育学院（成人教育）
歴史文化学院
体育学院
予科教育学院
海南国際学院

地方民族大学

中央民族大学の他に、以下の地方民族大学も存在します。

中南民族大学（武漢）
大連民族大学（大連）
西南民族大学（成都）
西北民族大学（蘭州）
北方民族大学（銀川）

地方所属の民族大学

広西民族大学（南寧）
青海民族大学（西寧）
雲南民族大学（昆明）
黔南民族師範学院（都勻）

国際提携

中央民族大学は、国際的な連携も積極的に展開しており、イギリスのイースト・ロンドン大学やアメリカのオレゴン州立大学と主要なパートナーシップを結んでいます。また、カナダのサイモンフレーザー大学、日本の千葉大学、タイのチュラーロンコーン大学など、世界各国の大学とも提携関係を築いています。

日本の提携大学

中央民族大学は、日本の多くの大学とも交流があります。

大学間提携（17校）

千葉大学
新潟大学
愛媛大学
名古屋市立大学
島根県立大学
関西大学
中央大学
明治大学
法政大学
龍谷大学
沖縄大学
愛知大学
大阪経済法科大学
岐阜聖徳学園大学
桃山学院大学
大東文化大学
立正大学

部局間提携（4校）

神戸大学
東北大学
早稲田大学
大谷大学

歴代学長

中央民族大学は、これまで多くの学長によって率いられてきました。

烏蘭夫 1950 - 1954年
劉格平 1954 - 1957年
劉春 1957 - 1966年
李力（革委会主任）1971 - 1977年
宗群（代理院長）1977 - 1982年
江雲 1982 - 1985年
任世琦 1985 - 1992年
哈経雄 1992 - 1999年
栄仕星 1999 - 2005年
鄂義太 2005 - 2008年
陳理 2008 - 2015年
黄泰岩 2015‐2020年
郭広生 2020年 -

主な卒業生

中央民族大学は、数多くの著名な卒業生を輩出しています。中でも、トフティ・トゥニヤズ氏は特筆すべき人物です。

中央民族大学