中期ジュラ紀

中期ジュラ紀の概要

中期ジュラ紀（ちゅうきジュラき）は、中生代の一部であり、約1億7410万年前から1億6350万年前にかけての期間を指します。この時期は、ジュラ紀を三分したうちの第二の地質時代であり、カロビアン、バトニアン、バッジョシアン、アーレニアンの4つの期に分けられています。

地理的な背景と環境

この時代、パンゲアという巨大な大陸がまだ存在し、ほとんどの大陸がつながっていました。その結果、恐竜たちは地域的な分化よりも、同心円状の分化を示していました。しかし、中国などでは海によって隔てられる地域も出現し、地域ごとの特異性がこれまで以上に高まっていたと考えられます。

また、中期ジュラ紀から後期ジュラ紀にかけては、二酸化炭素の大気中濃度が上昇し、温暖な気候が広まっていました。これにより、生物の生息環境が大きく変わり、多様な動物が繁栄する時代となりました。

動物相の概要

中期ジュラ紀の陸成層は全球的に少ないため、化石記録は乏しく、この時代の動物相はあまり詳しくはわかっていません。ただし、恐竜の進化に関しては興味深い特徴がいくつか見られます。特に、鳥盤類からは装甲を持つ剣竜類や鳥脚類が出現しました。剣竜類の尾部には独特なスパイクや小型の装甲があり、鳥脚類は特に咀嚼に適したデンタルバッテリー構造を有していました。

一方、竜盤類においては、竜脚類がこの時代に急速に繁栄し、地球全土にその生息域を拡大しました。南アメリカのパタゴサウルスは基盤的な竜脚類として位置付けられており、これらの基盤的な種の中に新たな系統の竜脚類が同心円状に分布していたことが観察されています。このような分布の仕方は、水面に広がる波紋に例えられています。新たな竜脚類には、ディプロドクス上科とティタノサウルス形類が含まれており、前者はヨーロッパ、後者はマダガスカルにその起源があります。また、中国では独自の進化を遂げた竜脚類が繁栄し、長い首を持つ種が多く見られ、シュノサウルスのような尾に棘や棍棒がついた種も現れました。

獣脚類に関しては、テタヌラ類やその下位群であるコエルロサウルス類が知られています。コエルロサウルス類には後のティラノサウルスを含む群が含まれ、具体的な属としてはキレスクスやプロケラトサウルス、また遅れて現れたグアンロンなどがあります。この時期には、鳥類に似た特徴を持つ獣脚類も現れ、大型の羽毛や大きな脳を収容できる頭蓋骨、長い前肢といった特異点が見られ、特にアーレニアンからバッジョシアン期にかけて1億7000万年前に出現しています。

このように、中期ジュラ紀は恐竜が多様化し、進化が進んだ重要な時期であり、今後の研究によって新たな知見がもたらされることが期待されています。

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