串原村

串原村（くしはらむら）

概要

串原村は、かつて岐阜県の南東部に位置していた村です。2004年10月25日に周辺自治体との合併により自治体としては消滅しましたが、現在は恵那市の一部として、その名を大字「串原」に残しています。旧村域の郵便番号は、各地区ごとに引き継がれて使用されています。

地理

串原村は岐阜県の南東端に位置し、愛知県と接していました。村の面積の8割以上を山林が占め、豊かな自然が広がっていました。

村の南部には、愛知県との県境を流れる矢作川があり、その流れを堰き止めた矢作第一ダムによって形成された人造湖である奥矢作湖が存在します。ダムの背後には急峻な山地（高戸山：794m）がそびえ、川沿いには平坦な土地はほとんどありません。

高戸山の北側、村の中部から北部にかけては丘陵性の土地が広がり、起伏に富んだ地形を形成しています。村の中部には木根や大平といった集落があり、比較的多くの人々が暮らしていました。学校も存在し、村の中心的な役割を担っていました。

しかし、村役場は南西の端、矢作川沿いの川ヶ渡という集落に置かれていました。この地域は愛知県、特に豊田市との結びつきが強く、村内には豊田市のレクリエーションセンターも存在していました。

主な山としては高戸山や高根山が挙げられ、河川としては矢作川や明智川が流れています。また、奥矢作湖が湖沼として村の景観を彩っていました。

かつて隣接していた自治体としては、明智町、上矢作町、愛知県東加茂郡旭町、稲武町がありました。

歴史

串原村の歴史は古く、平安時代から戦国時代末期まで恵那郡遠山荘の一部でした。この地域は岩村城を本拠地とする地頭の遠山氏の分家である串原遠山氏が、串原城を拠点として統治していました。

1572年（元亀3年）12月には、甲斐と信濃の武田軍が遠山氏の本拠地であった岩村城を攻めた際に、串原城も落城しました。

江戸時代には岩村藩の領地となりました。

矢作川にはかつて橋がなく、船渡、川ヶ渡、閑羅瀬には渡し場が設けられていました。

1962年には愛知県境を流れる矢作川にダムの建設が始まり、一部の集落が水没することとなり、住民の移住が始まりました。

1971年には矢作ダムが完成しました。

沿革

1889年7月1日、町村制の施行により串原村が成立しました。

2004年10月25日、恵那市、岩村町、山岡町、明智町、上矢作町と合併し、新たな恵那市となりました。

文化・産業

串原村には、郷社中山神社や上澤八王子神社といった神社、黄梅院などの寺院が存在します。

また、「ヘボ」と呼ばれる蜂の子（クロスズメバチ）を使った村おこしで知られていました。

教育

串原村には、串原村立串原小学校と串原村立串原中学校がありました。

過去には、串原村立本郷小学校（1969年廃校）、串原村立本郷小学校閑羅瀬分校（1963年廃校）、串原村立本郷小学校松本分校（1964年廃校）、串原村立本郷中学校（1970年廃校）がありました。

交通

串原村には鉄道路線は存在しませんでした。村域へのアクセスは、明知鉄道明智駅から村営バス（現・恵那市自主運行バス）が利用されていました。

道路としては、主要地方道である岐阜県道・愛知県道20号瑞浪大野瀬線や岐阜県道33号瑞浪上矢作線、一般県道である岐阜県道403号下明智線や岐阜県道417号串原明智山岡線が整備されていました。

名所・旧跡・観光スポット

串原村には、奥矢作湖や中山神社、黄梅院といった名所・旧跡が存在します。

祭事・伝統芸能としては、串原歌舞伎や中山太鼓が知られています。

また、串原村郷土館が資料館として存在しました。

関連項目

岐阜県の廃止市町村一覧
恵那市の地名
高杉さん家のおべんとう

外部リンク

串原村ホームページ（2004/12/13アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project

もう一度検索