串良駅

串良駅の歴史

串良駅は、かつて鹿児島県肝属郡串良町（現在の鹿屋市串良町）に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）大隅線の駅です。1987年3月14日、大隅線の全線廃止とともに、その歴史に幕を閉じました。

大隅鉄道の終点として誕生

串良駅の歴史は、1921年（大正10年）8月11日に、地元の軽便鉄道会社であった大隅鉄道の終着駅として開業したことに始まります。当時は軌間762mmの軽便鉄道であり、旅客駅としてスタートしました。

国鉄への編入と路線の変遷

その後、大隅鉄道の経営難や、孤立した路線を国鉄につなげる必要性から、国鉄による買収を求める運動が起こりました。1935年（昭和10年）6月1日、大隅鉄道は国鉄に買収され、国鉄古江線の終着駅となりました。

さらに、志布志線の志布志駅とを結ぶ路線が建設され、1936年（昭和11年）10月23日には、古江東線として開通しました。この時、古江東線は国鉄標準の1,067mm軌間で建設されたため、串良駅では異なる軌間の路線間の乗り換えが必要となりました。その後、大隅鉄道が建設した区間の改軌工事が進められ、1938年（昭和13年）10月10日には直通運転が可能となりました。

貨物営業と駅の変遷

第二次世界大戦後の1948年（昭和23年）4月10日、駅舎の改築が行われ、停車場有効長の延長や側線の設置により、貨物営業も開始されました。しかし、貨物営業は長くは続かず、1962年（昭和37年）には再び旅客駅へと戻りました。

大隅線廃止と駅の終焉

1987年（昭和62年）3月14日、大隅線の全線廃止に伴い、串良駅は廃駅となりました。

年表

1921年（大正10年）8月11日：大隅鉄道の終着駅として開業
1935年（昭和10年）6月1日：鉄道省が大隅鉄道を買収し、国鉄古江線の駅となる
1936年（昭和11年）10月23日：国鉄古江東線東串良 - 串良間が開通
1938年（昭和13年）10月10日：古江西線の改軌工事完了、古江東線と古江西線を古江線へ併合
1948年（昭和23年）4月10日：駅舎改築。側線を設置して貨物営業を開始
1962年（昭和37年）12月20日：貨物および配達の取り扱いを廃止
1963年（昭和38年）5月1日：民間委託駅となる
1972年（昭和47年）9月9日：古江線が大隅線に改称
1984年（昭和59年）2月1日：荷物扱い廃止
1985年（昭和60年）3月14日：業務委託解除、駅無人化
* 1987年（昭和62年）3月14日：大隅線の全線廃止に伴い、廃駅となる

駅構造

串良駅は、木造駅舎と島式ホーム1面1線を有する地上駅でした。かつては島式ホーム1面2線を有していましたが、駅舎側の線路は撤去されていました。

現在の状況

1989年（平成元年）に、日本国有鉄道清算事業団から跡地の払い下げを受け、1990年（平成2年）に串良町によって串良鉄道記念公園が設置されました。公園には記念碑やプラットホーム、踏切、ディーゼルカーなどが展示されていましたが、2003年（平成15年）にプラットホーム、踏切、ディーゼルカーは撤去され、跡地は駐車場となっています。現在は、鉄道をモチーフにした遊具が置かれた児童遊園として整備されています。

その他

串良駅と隣の東串良駅との間はわずか600mしかなく、列車に乗り遅れても走って追いかければ間に合ったというエピソードが残っています。

隣の駅

日本国有鉄道

大隅線

東串良駅 - 串良駅 - 下小原駅

もう一度検索