丹下左膳 (1958年の映画)

丹下左膳（1958年）

作品概要

『丹下左膳』は、1958年3月18日に東映が公開した時代劇映画です。監督は松田定次、主演は時代劇スター大友柳太朗が務めました。この作品は、大友柳太朗版『丹下左膳』シリーズの第一作であり、東映スコープ公開1周年記念作品として製作されました。豪華なオールスターキャストが話題を呼び、公開当時大きな人気を博しました。

宣伝時のタイトルは『丹下左膳 決定版』で、ビデオソフトやVOD配信などではこのタイトルで販売・公開されています。

あらすじ

物語は、江戸幕府が伊賀柳生藩に伝わる「こけ猿の壺」に、百万両の鍵が隠されているという噂を掴むところから始まります。幕府は、この壺が謀反の資金源になることを恐れ、公儀隠密・蒲生泰軒に壺の奪還を命じます。一方、柳生藩は財政難を打開するために、この壺を利用しようとします。

藩主の弟・源三郎は、婚約者の萩乃に贈る記念品として壺を江戸に持ち出しますが、盗賊の与吉によって壺は盗まれてしまいます。与吉の兄貴分である隻眼隻腕の浪人・丹下左膳は、壺の価値を知り、司馬道場に乗り込み、壺を高く売りつけようとします。

しかし、道場に出入りする植木屋・金八（実は変装した源三郎）との戦いの後、左膳は壺を返そうとしますが、蒲生に奪われ、偽物とすり替えられてしまいます。その後、様々な出来事を経て、源三郎と萩乃は結婚し、源三郎は道場の師範となります。

偽物の壺が柳生藩に戻り、底から蒲生の声明文が出てきます。一方、本物の壺からは、柳生石舟斎の訓示が書かれた手紙が出てきます。幕府は、柳生藩への調査を終え、自ら工事予算を組むことになります。

道場乗っ取りに失敗した峰丹波は、左膳に復讐を誓い、萩乃と左膳の息子のように育てていた孤児・ちょび安を誘拐します。左膳は2人を助け出し、丹波は逮捕されます。そして、ちょび安が柳生藩主の落胤であることが判明し、彼は柳生藩に連れ帰られることになります。

主な登場人物

丹下左膳：隻眼隻腕の浪人。演：大友柳太朗
お藤：左膳の妻。演：長谷川裕見子
ちょび安：左膳が育てている孤児。演：松島トモ子
萩乃：源三郎の婚約者。演：美空ひばり
柳生源三郎：柳生藩主の弟。演：大川橋蔵
峰丹波：道場師範代。演：山形勲
蒲生泰軒：公儀隠密。演：大河内傳次郎
大岡越前守：月形龍之介

キャスト

丹下左膳：大友柳太朗
大岡越前守：月形龍之介
愚楽老人：薄田研二
蒲生泰軒：大河内傳次郎
お藤：長谷川裕見子
ちょび安：松島トモ子
お美代：櫻町弘子
お蓮：喜多川千鶴
峰丹波：山形勲
柳生対馬守：三島雅夫
田丸主水正：左卜全
石川半次郎：徳大寺伸
鼓の与吉：多々良純
萩乃：美空ひばり
将軍吉宗：東千代之介
柳生源三郎：大川橋蔵

スタッフ

監督：松田定次
製作：大川博
企画：辻野公晴、中村有隣
原作：林不忘
脚本：中山文夫
撮影：川崎新太郎
照明：中山治雄
録音：石原貞光
美術：川島泰三
編集：宮本信太郎
音楽：深井史郎
和楽：望月太明吉
* 進行主任：池田利次

その他

同時上映作品は、『台風息子 最高殊勲の巻』でした。

2022年には、大友柳太朗の生誕110年を記念して、YouTubeで無料配信されました。

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