乗鞍高原温泉

乗鞍高原温泉について

乗鞍高原温泉は、長野県松本市安曇、かつての信濃国に位置する温泉地です。乗鞍岳の中腹から湧き出る温泉は、古くから人々に利用されてきました。

泉質

この温泉の特徴は、白色と透明の2種類の源泉が存在することです。どちらも強酸性で、特に酸性硫化水素泉は、レジオネラ菌などの細菌が生息できないほどの殺菌力を持っています。

酸性硫化水素泉
源泉温度: 50℃
湧出量: 毎分1,500リットル
泉色: 白色
源泉: 乗鞍岳中腹（湯川源泉）

湯川源泉は、白骨温泉の源泉よりも上流に位置しています。

効能

乗鞍高原温泉は、以下のような効能が期待できます。

特有の効能: 慢性皮膚病、慢性婦人病、切り傷、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症
その他: 慢性消化器病、痔疾、冷え性、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打撲、病後の回復など

温泉街

温泉地は、乗鞍高原の中心部である鈴蘭地区から番所地区にかけて広がっており、「のりくら[[温泉郷]]」として知られています。旅館やホテルだけでなく、ペンションにも温泉が配湯されており、その数は約100軒にのぼります。また、温泉街にはスキー場（Mt.乗鞍）も併設されており、冬季にはウィンタースポーツも楽しめます。

日帰り入浴施設としては、市営の「湯けむり館」や「銀山荘」があり、一部のペンションでも日帰り入浴が可能です。さらに、無料で利用できる露天風呂「せせらぎの湯」も存在します（季節営業）。

歴史

乗鞍岳の山腹から自然湧出する温泉は、古くから存在が知られていました。湯畑周辺では、昭和初期から湯の花採取が行われ、地域経済の一翼を担っていました。湯の花は硫黄沈殿物を主体とし、春と夏に採取されていました。

1974年から2年の歳月をかけ、源泉から7km以上離れた温泉地まで引湯設備が整備されました。この事業では、高低差550m弱の急峻な斜面や豪雪地帯、そして強酸性硫化水素泉という特殊な泉質など、多くの技術的な課題を克服する必要がありました。1976年に配湯が開始され、現在の温泉街が形成されました。

2005年からは、温泉地のPRに平仮名表記の「のりくら温泉」が用いられるようになりました。

アクセス

鉄道: アルピコ交通上高地線新島々駅からアルピコ交通バスで約50分。

その他

乗鞍岳登山への拠点としても利用されています。

外部リンク

* 乗鞍温泉組合

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