事変

事変（じへん）とは、社会秩序を根底から揺るがすような、広範囲にわたる非常事態や騒乱を指す言葉です。一般的に「事件」よりも規模が大きく、より深刻な状況を表す際に用いられます。

事変は、必ずしも宣戦布告を伴う本格的な戦争状態だけを指すものではありません。小規模な国家間の紛争や、宣戦布告がないままに武力衝突が発生する状況なども事変と呼ばれることがあります。また、国内において、警察力だけでは対応できないような大規模な騒乱が発生した場合にも、事変という言葉が用いられます。

事変の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

桜田門外の変（桜田事変）: 江戸時代末期に発生した、大老井伊直弼が暗殺された事件。
天京事変: 清朝末期に発生した、太平天国の内紛。
庚午事変: 明治時代に発生した、朝鮮における内乱。
壬午事変: 朝鮮で発生した、軍隊による反乱事件。
乙未事変: 朝鮮で発生した、閔妃暗殺事件。
北清事変（義和団事変）: 清朝末期に発生した、義和団による反乱事件。
満州事変（九一八事変）: 日本が中国東北部（満州）に侵攻した事件。
第一次上海事変: 上海で発生した、日本軍と中国軍の武力衝突事件。
福建事変: 中国福建省で発生した、反政府勢力による反乱事件。
両広事変: 中国広東省と広西省で発生した、反政府勢力による反乱事件。
西安事変: 中国西安で発生した、張学良による蒋介石監禁事件。
支那事変（日華事変・日支事変）: 日本と中国の間で発生した戦争。
北支事変: 中国北部で発生した、日本軍と中国軍の武力衝突事件。
七七事変（盧溝橋事件）: 北京郊外の盧溝橋で発生した、日本軍と中国軍の武力衝突事件。
第二次上海事変: 上海で発生した、日本軍と中国軍の武力衝突事件。
ノモンハン事変（ノモンハン事件）: モンゴルと満州の国境付近で発生した、日本軍とソ連軍の武力衝突事件。

これらの例からもわかるように、事変は、その規模や性質において多岐にわたります。しかし、いずれの場合も、社会秩序が大きく混乱し、人々に大きな影響を与えるという点で共通しています。

関連用語

海洋無酸素事変: 古生物学などで用いられる用語で、過去の地球において海洋の酸素が極端に減少した現象を指します。
有事: 国家や社会にとって重大な危機的状況を指す言葉です。
変: 社会の変動や異変を指す言葉で、事変と類似した意味で用いられることもあります。
東京事変: 「事変」を愛称とする日本のバンドです。
* 特別軍事作戦、紛争: 近年、国際紛争を指す際に用いられる言葉で、事変と類似した意味で使用されることがあります。

事変は、その発生原因や背景、規模、影響など、さまざまな側面から考察されるべき重要な社会現象です。歴史的な出来事を理解する上でも、事変という言葉の意味を正しく理解しておくことが重要です。

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