二条師忠

二条師忠について

二条師忠（にじょう もろただ）は、鎌倉時代中期に生きた公卿であり、二条家の2代目当主として知られています。彼は関白である二条良実の三男であり、多くの官職を歴任した人物です。その官位は従一位・関白、左大臣にまで上り詰めました。名前の由来となった「香園院関白」という号も持ちながら、彼の生涯は多くの重要な出来事で彩られています。

生涯の経歴

師忠は文応元年（1260年）に元服し、初めは正五位下の位につきました。彼の昇進は続き、弘長2年（1262年）には従三位に昇格。その後、弘長4年（1264年）には正二位に達しました。文永6年（1269年）3月には右近衛大将に任命され、同年の11月には内大臣となるという重要な地位を得ました。さらに文永8年（1271年）3月には右大臣、文永10年（1273年）には右大将を辞任します。その後、建治元年（1275年）には左大臣に就任。建治3年（1277年）には従一位となり、弘安10年（1287年）8月には関白および氏長者を拝命しました。

その後、正応2年（1289年）4月には関白の職を辞し、永仁2年（1294年）に出家して法名を行隆としました。最終的に興国2年（1341年）1月14日に亡くなりました。享年は88歳です。

系譜と家族

師忠の父は二条良実であり、母は非参議の坊門親仲の娘です。彼の養母は四条灑子で、これもまた四条隆衡の娘です。妻には坊門祚子（坊門基信の娘）、そして源康成の娘がいます。子供には二男の二条冬通（1285-1316）がおり、彼もまた正三位の左中将にまで昇進しました。

その他、師忠の系譜には、生母不明の男子慈智、忠瑜、二条道平の室、源彦仁の室、そして忠房親王の母が含まれています。また、養子には実弟の二条兼基（1267-1334）を持ち、さらには良忠という天台宗の僧も猶子としています。

参考文献

師忠の生涯やその家系についての詳細は、以下の参考文献に基づいています。近藤敏喬編著の『宮廷公家系図集覧』や、橋本政宣編の『公家事典』、さらには新訂増補国史大系による『公卿補任』『尊卑分脈』など、数多くの文献が彼の足跡を伝えています。これらの資料は、彼の公的な業績だけでなく、私生活や家族関係についても深い理解をもたらしてくれます。

このように、二条師忠は鎌倉時代の日本において重要な役割を果たした公卿であり、その影響は今なお多くの人々に伝わっています。

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