于

于（う、Yú）について

于（う、Yú）は、中国を起源とする漢姓の一つであり、古くから多くの人々に使用されています。この姓は『百家姓』の中で82番目に位置しており、特に中国や朝鮮において広くみられます。

中国における于の姓の分布

2020年の全国人口調査によると、中華人民共和国において于という姓は第42位にランクインしており、約663万人がこの姓を名乗っています。北方系の姓であるため、台湾では2018年の統計において第105位となり、12,958人の人々がこの姓を持っています。中国語普通話では、于（Yú）の他に「兪・余・虞・魚」などと発音が類似する姓も存在します。こうした背景から、しばしば「干にかぎの于」という表現で呼ばれることがあります。

また、漢字の簡体字では「於」という文字は「于」に統合されたため、姓の表記には特に留意が必要です。姓の「於」（ピンイン：Yū）は別の姓として扱われており、誤記が生じることもあるため注意が求められます。

姓の由来

于の姓の歴史は古く、周王朝の武王の子が邘国（現在の河南省沁陽市）に封じられた際、その子孫が「于」という姓を名乗るようになったとされています。また、鮮卑の八姓の一つとしても知られており、『魏書』の官氏志によれば勿忸于氏から単姓化されたものとも言われています。

唐の時代においては、淳于氏が憲宗の諱と同音であるため避忌され、単に「于」という字だけが残されることになりました。こうした姓の変遷は、時代によって異なる文化的背景や習慣が影響していると言えます。

著名な人物

于という姓を持つ著名人も数多く存在しています。例えば、前漢の丞相である于定国や、後漢末の道士于吉、三国時代の魏の武将于禁などがいます。また、北魏の皇后である于皇后や、唐の政治家于志寧、さらに明代の政治家于謙なども有名です。

現代においても、スポーツ選手や芸術家の中に于姓の人々が多く見受けられます。サッカー選手の于海、于漢超、于大宝、及びスピードスケート選手の于静等がその一例です。映画監督のロニー・ユー（于仁泰）や俳優のユー・ロングァン（于栄光）なども、于姓を持つ有名な人物です。

朝鮮における于の姓

朝鮮半島でも、于（ウ、朝: 우）は姓の一つとして存在しています。2015年の韓国の国勢調査によると、人口は756人となっており、主に高麗時代に活躍した武臣や文臣の中に于姓の人物が多く見られます。

有名な朝鮮の人物には、高麗の武臣である于邦宰や于学儒、文臣の于述儒、さらには于承慶などが存在しています。これらの人物は、朝鮮の歴史において重要な役割を果たしてきました。

おわりに

于という姓は、その発音や漢字の変遷を通じて、文化や歴史の深さを物語っています。中国でも朝鮮でも、多くの有名人がこの姓を受け継いでいることから、その価値と影響力は決して小さくありません。

もう一度検索