付知川

付知川（つけちがわ）

岐阜県中津川市を流れる付知川は、木曽川水系に属する一級河川であり、木曽川本流に合流する重要な支流です。その源を中津川市北部の唐塩山東側に発し、中津川市苗木付近で木曽川へと注ぎ込みます。

地理的特徴

付知川は、全長約31km、河川法区域延長約27kmの規模を持ちます。川底に花崗岩が広がる清流は「青川」とも呼ばれ、近隣の白川などとともに「東濃五色川」の一つとして数えられています。

上流部では、阿寺山地を深く侵食する渓谷を形成し、多くの谷川を集めながら流れます。中津川市付知町域に入ると、奥三界岳西側から流れ出る東股谷と合流し、この合流点付近は特に付知峡として知られる美しい景観を誇ります。付知町からは、阿寺断層崖下の付知盆地といった比較的平坦な地形を流れ、横川や柏原川といった支流と合流します。その後も長根川、松島川、木積沢川などの支流を合わせ、最終的に狩宿川と合流した直後に木曽川へと流れ込みます。

自然と景観

付知川流域は、裏木曽県立自然公園に指定されるなど、多くの景勝地が存在します。特に付知峡は、その美しい景観で知られ、横川渓谷や栗本、下村などにはキャンプ場が整備されており、夏場には多くの人々が訪れます。また、ウグイ、アユ、ニジマスなどの魚類も豊富で、釣りを楽しむこともできます。さらに、渡合温泉、付知峡倉屋温泉といった温泉施設も点在し、自然を満喫しながらリラックスできる場所としても人気があります。

付知川とその流域は、以下のような指定を受けています。

裏木曽県立自然公園（付知川・付知峡）
岐阜県の名水50選（付知川）
飛騨・美濃紅葉三十三選（付知峡）
森林浴の森100選（付知峡）
福岡ローマン渓谷（付知川）

主な支流と橋

付知川には、横川、柏原川、長根川、松島川、木積沢川、狩宿川など、多くの支流が流れ込んでいます。また、国道256号と国道257号の重複区間は、付知川の中流部で並行して整備されており、付知峡大橋や付知南大橋などの橋が架かっています。特に高山大橋（岐阜県道408号中野方苗木線）は、重要な交通路となっています。

かつての鉄道

現在は全て廃線となっていますが、かつては付知川沿いに鉄道が走っていました。旧国鉄の路線計画もありましたが、実現には至りませんでした。

北恵那鉄道線：中津町駅（中央本線中津川駅付近） - 下付知駅（恵那郡付知町）。1924年開通、1978年廃止。
付知森林鉄道：下付知駅 - 渡合（恵那郡加子母村）。1937年開通、1959年廃止。
下呂線：中央本線中津川駅 - 高山本線下呂駅。1922年予定線、1980年国鉄再建法により凍結（未成線）。

付知川にまつわる文化

スピッツのミニアルバム「オーロラになれなかった人のために」に収録されている楽曲「田舎の生活」は、付知川流域をモデルにしたと言われています。また、名古屋市中津川野外教育センターは、付知川沿いに位置しており、名古屋市立の小学校に通う5年生が野外学習で利用しています。

付知川は、美しい自然と歴史を持つ、地域にとって非常に重要な河川です。

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