仙台マークワン

仙台マークワンは、宮城県仙台市青葉区中央に位置する複合商業施設です。JR仙台駅西口の北側に隣接し、地下1階から地上9階までが仙台PARCO、10階から19階が高層オフィスフロアとなっています。地下2階には駐車場があり、隣接するAERの地下駐車場と連結しています。

概要

仙台マークワンの建設地は、約0.6ヘクタールの敷地で、市道名掛丁1号線、駅前通り、交通広場3・2・11号線、JRの軌道敷に囲まれた場所にあります。このビルは、仙台駅と中心部アーケード商店街を結ぶ重要な場所に位置し、1階の歩道と2階のペデストリアンデッキを通じて、周辺地域と多層的に接続されています。

再開発に伴い、隣接するAERとの間にデッキ広場が、軌道敷との間にもペデストリアンデッキが新設されました。これにより、東北新幹線の高架下を通って仙台駅東口まで歩行者専用通路が繋がり、S-PAL IIの北側入口も設けられました。これらの整備は、周辺の歩行者動線を大きく変えるきっかけとなりました。

仙台マークワンに仙台PARCOが入居したことで、仙台駅周辺の商業施設は大きく影響を受けました。エスパルはS-PAL IIを開店し、EBeanSはギャル系ファッションを強化しました。一方、仙台市都心部の一番町では、仙台フォーラスが内外装を刷新し、仙台コレクションを開催するなど、仙台駅前の活性化に対抗する動きが見られました。仙台三越はファッションドーム141を一括賃借し、藤崎も仙台ファーストタワー低層棟を賃借して新館を開業する予定を立てるなど、顧客誘致に力を入れています。また、郊外では仙台泉プレミアム・アウトレットや三井アウトレットパーク 仙台港が同時期に開店するなど、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに向けて、商業地図の変革が起こりました。

2012年時点では、仙台マークワンの高層階は実質的にオフィスフロアとして利用されており、12階にはハローワーク仙台の仙台学生職業センターと宮城県のジョブカフェが、13階から18階には労働者派遣事業者が入居し、「派遣ビル」のような様相を呈しています。

高層階

仙台市の環境アセスメント条例の適用を避けるため、ビルの高さは100m未満に抑えられました。当初、24階建てまたは25階建ての計画でしたが、パルコ側の要望により1階と9階の飲食ゾーンの天井が高くなったため、高層オフィスフロアは10階分となりました。

低層階（仙台PARCO）

仙台PARCOは、若者向けのファッションを中心に様々な店舗が入居し、仙台駅周辺のショッピングの中心地となっています。

沿革

仙台マークワンの建設地は、江戸時代には石巻街道に繋がる名掛丁に面し、武士の家が立ち並ぶ場所でした。1887年に東北本線が開通すると、仙台駅前の重要地点となりましたが、踏切が設けられたことで東西の交通が滞ってしまいました。1921年に跨線橋である宮城野橋が開通し、東西の交通が円滑になりました。1925年には宮城電気鉄道・仙台駅が地下駅として完成し、1926年には仙台市電が開通し、駅前は人と交通が交錯する場所となりました。

1945年の仙台空襲で被災し、戦後にはGHQ/SCAP鉄道司令部が置かれ、周辺には低層住宅や店舗がひしめいていました。その後、戦後復興区画整理事業が行われ、雑居ビルやタワーパーキングが建設されましたが、この場所は10階建て未満の建物が数棟建つのみでした。その後、「中央一丁目第二地区第一種市街地再開発事業」により、ブロック全体で一体的な再開発が行われました。再開発促進協議会が結成されたのは、隣接するAERが竣工した1998年。10年の歳月をかけて完成しました。総事業費は180億円で、国や自治体からの補助金、店舗保留床処分、オフィス保留床処分で賄われました。

年表

1998年3月：再開発促進協議会結成
2001年12月：準備組合設立
2003年7月：都市計画の告示
2004年10月：再開発組合設立
2005年3月：定款及び事業計画の変更認可
2005年12月：権利変換計画認可
2006年1月：既存建物除却工事着手
2006年4月：建築工事着工
2008年7月：建築工事竣工
2008年8月：仙台PARCO開業
2009年3月：組合解散

アクセス

JR東日本、仙台市地下鉄：仙台駅
仙台市営バス、宮城交通：仙台駅前バス停
各社高速バス：仙台駅バスターミナル
地下2階駐車場：207台（AERと一体運営で514台）
駐輪場：自転車311台、原動機付自転車253台

仙台マークワンは、仙台駅周辺の都市構造と商業活動を大きく変えた重要な施設です。

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