伊号第三十七潜水艦

伊号第三十七潜水艦

伊号第三十七潜水艦（いごうだいさんじゅうななせんすいかん）は、大日本帝国海軍が建造した伊十五型[[潜水艦]]（巡潜乙型）の18番艦です。当初は伊号第四十九潜水艦と命名されていましたが、1941年11月1日に伊号第三十七潜水艦に改名されました。

艦歴

1939年の第四次海軍補充計画に基づいて建造が決定され、1940年12月7日に呉海軍工廠で起工しました。1941年10月22日に進水し、1943年3月10日に竣工しました。竣工後は呉鎮守府に所属し、訓練部隊である呉潜水戦隊に編入されました。

1943年4月1日に呉潜水戦隊は第11潜水戦隊に改編され、第一艦隊所属となりました。5月23日には第六艦隊第8潜水戦隊第14潜水隊に編入されました。

戦歴

1943年5月25日に呉を出港し、ペナンを経由してインド洋に進出しました。

6月16日：チャゴス諸島南東沖でイギリスのタンカー「サン・エルネスト」を雷撃し撃破。その後、同船を砲撃するも沈没には至らず、漂流後に座礁し全損。
6月19日：モルディブ南西沖でアメリカのリバティ船「ヘンリー・ノックス」を雷撃により撃沈。生存者から情報を収集後、衣服や食料などを没収したうえで解放。
7月9日：ペルシア湾を偵察。
8月17日：ペナンに帰還。
9月5日：シンガポールからペナンに移動後、インド洋へ向かうも、乗員が虫垂炎で倒れたためペナンに帰還。
9月20日：ペナンを出港し、モザンビーク海峡に進出。
10月11日：ディエゴ・スアレスを偵察。
10月23日：マダガスカル島北西沖でギリシャ貨物船「ファネロメニ」を撃沈。
11月4日：ペンバ島南東沖でノルウェー貨物船「エルボーグ」を雷撃するも命中せず。
11月5日：ペンバ島南東沖で輸送船を雷撃するも命中せず。
11月17日：モンサバ港を偵察。
11月27日：アッドゥ環礁南西沖でノルウェータンカー「スコティア」を雷撃により撃沈。この際、救命ボートを機銃掃射し、多数の死傷者を出す。
12月5日：ペナンに帰還。
12月15日：第14潜水隊の解隊に伴い、第8潜水戦隊直属となる。

1944年1月12日にシンガポールを出港し、マダガスカル島周辺海域に進出。

2月15日：アッドゥ環礁南西沖でイギリスのタンカー「ブリティッシュ・シバルリー」を撃沈。生存者からブリーフケースを没収後、銃撃を行い多数の死傷者を出す。
2月26日：ディエゴガルシア島西方沖でイギリス貨物船「サトレジ」を撃沈。生存者に銃撃を行う。
2月29日：ディエゴスアレス北西沖でイギリス貨物船「アスコット」を撃沈。生存者を尋問後、救命ボートを銃撃し、全員を死傷させる。
3月3日：チャゴス諸島を飛行偵察するも、目標を発見できず。
3月9日：インド籍のジャンク船を臨検するも、解放。
3月15日：ディエゴスアレスを偵察。
4月5日：ペンバ島東方沖に到達するも悪天候のため偵察を延期。
4月7日：悪天候の中モンサバ港を偵察。
4月20日：ペナンに帰還。
4月27日：ペナン南方沖で機雷に接触し損傷。
5月3日：ペナンを出港。
5月5日：シンガポールに到着し修理を受ける。

修理完了後、リンガ泊地に移動。7月21日には第二艦隊の対潜訓練の目標艦として使用されました。その後、呉へ向かい、9月9日に到着。整備の際に、後部主砲が撤去され、回天4基を搭載できるよう改装されました。9月12日、第15潜水隊に編入されました。

沈没

11月初めに改装を終えた伊37は呉を出港し、大津島で回天を搭載しました。11月8日、回天特別攻撃隊（菊水隊）の一隻として大津島を出港しましたが、豊後水道で伊36に信号を送ったのを最後に消息を絶ちました。

アメリカ側の記録によると、伊37は回天発進時刻の12時間前に、コッソル水道西口で米軍の設網艦に発見され、その後、米軍の護衛駆逐艦による掃討作戦を受けました。

11月19日、米駆逐艦の攻撃を受け、潜航中に爆雷攻撃を受け、艦内で大爆発を起こし沈没しました。艦長の神本信雄中佐以下乗員117名、回天搭乗員4名、回天整備員4名全員が戦死しました。沈没地点はコッソル水道西口付近、北緯08度07分 東経134度16分です。

米軍の記録では、海面に浮上した破片などから、通常の沈没ではなく、艦内での爆発が原因と推測されています。また、搭載した回天を隠匿するために自爆した可能性も指摘されています。

12月6日、パラオ方面で亡失と認定され、1945年3月10日に除籍されました。

伊37は、撃沈総数7隻、47,942トンという戦果を挙げ、日本海軍潜水艦の中で撃沈トン数では第5位を誇りました。

歴代艦長

艤装員長
大谷清教 中佐：1942年12月20日 -
艦長
大谷清教 中佐：1943年3月10日 -
中川肇 中佐：1943年12月27日 -
河野昌通 中佐：1944年5月10日 -
神本信雄 中佐：1944年10月11日 - 11月19日戦死

脚注

参考文献

高橋一雄『神龍特別攻撃隊 潜水空母搭載「晴嵐」操縦員の手記』光人社、2001年。ISBN 4-7698-1015-6
雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
* 福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1

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