伊東長救

伊東長救（いとう ながひら）

伊東長救は、江戸時代中期の備中国岡田藩の第5代藩主です。元禄6年（1693年）に第4代藩主であった父・伊東長貞の死去により家督を継ぎ、藩主となりました。

生涯

藩主となった長救は、元禄14年（1701年）に藩の陣屋を中村から岡田山（現在の倉敷市立岡田小学校）へと移転させました。また、宝永2年（1705年）には、岡田藩の鎮守として岡田大池の傍の東の丘に「稲荷神社」を建立し、地域住民の信仰の場を設けました。さらに、享保元年（1716年）には岡田大池に「大池の弁天様」を建立し、水難除けや豊穣を祈願しました。

長救は藩政にも力を入れ、享保3年（1718年）には岡田新道を完成させ、領内の交通網を整備しました。しかし、享保2年（1717年）には、税や賦役の負担軽減を求めて新本義民騒動が起こります。長救は、民衆の訴えを聞き入れる一方で、騒動の指導者4人を処刑するという厳しい措置を取りました。この義民騒動は、長救の藩主としての評価を大きく左右する出来事となりました。

享保8年（1723年）3月5日、長救は新本義民騒動の責任を感じ、失意のうちに家督を長男の長丘に譲って隠居し、浄山と号しました。延享2年（1745年）9月20日に84歳で死去しました。

系譜

父：伊東長貞（1643年 - 1693年）
母：大久保教勝の娘
正室：木下俊長の娘
側室：堀田氏
長男：伊東長丘（1697年 - 1782年）
生母不明の子女
女子：小笠原貞通正室 - のち武田信胤正室
四男：伊東長煕
女子：岡部長威正室
女子：池田長興正室
* 女子：まつ - 松平正方正室


伊東長救は、藩政においては一定の成果を上げましたが、義民騒動における対応は批判も多く、その生涯は複雑な評価を受けています。

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