伊萬里神社

伊萬里神社の概要

伊萬里神社（いまりじんじゃ）は佐賀県伊万里市に位置する神社で、地域の信仰の中心となっており、県社の格を持っています。この神社は1962年に旧県社の香橘神社、戸渡嶋神社、岩栗神社が合祀される形で設立され、現在の姿を形成しました。境内には、旧戸渡嶋神社と岩栗神社の鳥居も残されており、歴史の深さを感じることができます。

伊萬里神社の歴史

香橘神社は、その由来として、垂仁天皇時代に常世の国から不老長寿の妙薬とされる非時香菓を田道間守命が持ち帰り、地元に植えたとの伝説があります。この伝説によって、地域の橘氏の族祖である橘諸兄が祀られる社殿が建立され、伊萬里神社は名声を得ることとなりました。さらに、田道間守命を祀る中嶋神社も境内社として合祀され、神社の重要な一部を形成しています。

また、伊萬里神社は安倍宗任の時代に、英彦山権現が取り入れられたことで、英彦山系の修験道の神社としての役割も果たしています。元々は戦火によって社殿が焼失してしまいましたが、1654年に再建されています。

岩栗神社に関しては、天平12年に藤原広嗣の乱の折、紀飯麻呂が族祖である彦太忍信命を栗の大木に祀り、戦勝を祈願したことがその始まりとされています。一方で、戸渡嶋神社はかつて戸渡島に存在しましたが、江戸時代に現在の牧島村に移され、神功皇后の時代に創建されたとの伝承があります。

さらに、伊万里出身の森永製菓創業者、森永太一郎の胸像も神社内に建立されており、地域との結びつきを表しています。

祭礼・行事

伊萬里神社では、特に重要な祭礼として「橘祭」が7月19日に行われています。また、毎年10月22日から24日までの期間には「御神幸祭」が開催され、これは伊万里トンテントン祭りとともに行われる重要な行事です。この祭りは地域住民によって盛大に祝われ、多くの観光客も訪れる一大イベントとなっています。

アクセス

伊萬里神社へのアクセスは、JR筑肥線や松浦鉄道西九州線の伊万里駅から徒歩約15分の距離に位置しており、訪れやすい場所にあります。訪問者はその道中で美しい風景を楽しみながら、神社へと向かうことができます。

この神社は、地域の人々にとって大切な信仰の拠り所であり、また歴史的な価値も十分に備えた場所であるため、観光客はもちろん地元の人々にも愛され続けている存在です。

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