伊豆国分寺

伊豆国分寺

伊豆国分寺は、静岡県三島市に位置する日蓮宗の寺院です。山号を最勝山と称し、本尊には釈迦如来を祀っています。かつては大本山北山本門寺の末寺でしたが、現在は興統法縁会に所属しています。この寺院は、奈良時代に聖武天皇の命によって日本各地に建立された国分寺の一つ、伊豆国分寺の後継寺院にあたります。この項目では、現存する伊豆国分寺だけでなく、その前身である伊豆国分寺跡（塔跡は国の史跡）と、関連する伊豆国分尼寺についても詳しく解説します。

歴史

伊豆国分寺は、もともと「蓮行寺」という名の真言宗寺院でした。時期は不明ですが、慈眼という僧侶が日蓮宗に改宗し、その後、この地が伊豆国分寺の跡地であると特定されたことをきっかけに、1963年（昭和38年）に現在の「伊豆国分寺」と改称しました。

伊豆国分寺跡

1956年（昭和31年）の発掘調査によって、伊豆国分寺の寺域は東西南北2町（約218メートル）であることが判明しました。この調査では、僧坊、講堂、金堂、中門、南門などの遺構が確認されましたが、伽藍全体の詳細な配置はまだ解明されていません。現在、塔跡の基壇と8つの礎石が現国分寺の境内に保存されており、これらは国の史跡として指定されています。

『延喜式』に記載された伊豆国の税に関する記録では、「山興寺」という寺院が国分寺の代わりを務めていたとされています。このことから、元の国分寺は10世紀には焼失していたと考えられています。

伊豆国分尼寺

伊豆国分尼寺の正確な所在地は未だ不明です。『日本三代実録』によれば、国分尼寺は836年（承和3年）に焼失し、その後、別の定額寺が法華寺とされたと記されています。また、同書には、884年（元慶8年）に新たな尼寺の建立が許可されたという記述も残っています。

僧寺の東方に位置する祐泉寺には、「市ヶ原廃寺」と呼ばれる寺院跡があります。祐泉寺の境内には塔の礎石が残されており、この廃寺が薬師寺式の伽藍配置であったとする説があります。この礎石は、三島市の文化財（考古資料）として指定されています。また、祐泉寺の南にある法華寺は、国分尼寺の後継寺院であると伝えられています。

市誌編纂事業では、国分尼寺には通常塔が設けられないことから、市ヶ原廃寺を『日本文徳天皇実録』に定額寺として記載されている「大興寺」とし、新たに建てられた寺を「法華寺」とみなしました。しかし、市ヶ原廃寺の遺構は不明な点が多く、伽藍の配置や規模など、まだ解明されていない問題が残されています。

文化財

国の史跡

• - 伊豆国分寺塔跡 - 1956年5月15日指定

現地情報

所在地

• - 伊豆国分寺：静岡県三島市泉町12-31
• - 祐泉寺（代用国分尼寺の可能性）：静岡県三島市大社町5-13 （北緯35度07分06.54秒 東経138度55分14.69秒）
• - 法華寺（国分尼寺の後継）：静岡県三島市東本町1丁目15-48 （北緯35度07分03.80秒 東経138度55分16.27秒）

脚注

参考文献

• - 『日本歴史地名体系 静岡県の地名』（平凡社）三島市 蓮行寺町項・伊豆国分寺跡項・市ヶ原廃寺項・二日町項

外部リンク

• - 三島市ホームページの該当ページへのリンク'>伊豆国分寺塔跡 - 三島市ホームページ
• - 祐泉寺 - ウェイバックマシン（2019年1月1日アーカイブ分） - 公式サイト

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