伊集院町大田

鹿児島県日置市伊集院町大田

概要

伊集院町大田（いじゅういんちょうおおた）は、鹿児島県日置市に位置する大字です。この地域は、神之川の中流域に広がり、豊かな自然に恵まれています。2020年10月1日現在、人口は506人、世帯数は243世帯となっており、比較的静かな地域です。

地理

位置

日置市の中央部に位置し、北には伊集院町徳重、南には伊集院町飯牟礼と日吉町日置、西には東市来町寺脇、伊集院町寺脇、東市来町宮田、東には伊集院町下谷口が隣接しています。

交通

地域の北部には鹿児島県道24号鹿児島東市来線が東西に走り、東端から鹿児島県道37号伊集院日吉線が南に分岐しています。また、地域の中央部を日置広域農道が南北に、南九州西回り自動車道が東西に横断しています。かつては鹿児島交通枕崎線が通っていましたが、1984年に廃止されました。

特徴的な場所

北東部には、一宇治城跡を整備した城山公園があり、地域住民の憩いの場となっています。

歴史

古代・中世

「大田」という地名は、鎌倉時代から見られ、薩摩国伊集院の一部でした。建久8年の薩摩国図田帳には、伊集院の一部として記録されています。当初は、大前道友が本主で、大隅正八幡宮（現在の鹿児島神宮）領の万得領でした。南北朝時代後期には、伊集院氏の伊集院久氏の五男である久勝が大田を領有し、大田氏を名乗るようになりました。その後、伊集院氏が衰退し、大田は島津氏の支配下に入りました。

近世

江戸時代には、薩摩国日置郡伊集院郷の一部であり、村高は時代によって変動しましたが、おおよそ800石から900石程度でした。村内には薩摩街道が通り、神之川に架かる大渡橋は、嘉永4年に石造眼鏡橋として架けられました。橋の袂には、当時郡方書役であった西郷隆盛が書いたとされる碑が残されています。

近代・現代

1889年（明治22年）の町村制施行により、大田村は中伊集院村の一部となり、その後、中伊集院村が町制を施行し、伊集院町の大字となりました。2005年（平成17年）には、伊集院町が周辺の町村と合併して日置市となり、大字名は「伊集院町大田」に改称されました。

文化財

国登録有形文化財

大田発電所は、島津家の自家用発電所として1908年（明治41年）に建設された水力発電所です。現在も九州電力が所有しており、550kWの電力を供給しています。本館は2008年3月7日に国の登録有形文化財に登録されました。

鹿児島県指定無形民俗文化財

大田太鼓踊りは、城攻めの様子を象った踊りで、「道行き」から「総舞攻め」まで15段階の構成となっています。かつては伊勢神社に奉納されていましたが、現在は妙円寺詣りの時期に徳重神社で披露されます。

主な施設

公共施設

城山公園（一宇治城跡）
ザビエル会見の地（日本で初めてキリスト教の布教が許可された場所）
伊集院公共職業安定所（ハローワーク伊集院）
日置市衛生処理場
日置市伊集院終末処理場
大田簡易郵便局

寺社

伊集院護国神社
伊勢神社

教育

市立の小・中学校に通う場合、学区は以下の通りです。

交通

道路

南九州西回り自動車道
鹿児島県道24号鹿児島東市来線
鹿児島県道37号伊集院日吉線
日置広域農道

まとめ

伊集院町大田は、豊かな自然と歴史的な背景を持つ地域です。薩摩街道の面影を残しつつ、現代的なインフラも整備されています。城山公園や大田太鼓踊りなど、地域に根ざした文化も大切に受け継がれています。

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