佐多 (給油艦)

日本海軍の給油艦「佐多」

「佐多」は日本海軍に所属する給油艦であり、その名は鹿児島県の佐多岬に由来しています。知床型の4番艦として、1921年2月24日に横浜船渠で竣工し、佐世保鎮守府に配属されました。

概要と従事業務

竣工後、「佐多」は1937年まで海外からの重油輸送に従事していました。日本海軍史第7巻によると、この艦は1937年8月から9月にかけて佐世保工廠で航空機搭載設備を整え、特設水上機母艦として特別大演習に参加しました。その後、支那事変が勃発し、中国沿岸での補給任務にも従事することとなります。

潜水艦救難任務の実績

1938年には、潰艦「朝日」の代わりに潜水艦救難設備を装備しました。この装備は、潜水艦が遭難した際に使用され、特に1939年には「伊63」を引き揚げる際に重要な役割を果たしました。具体的には、1939年2月に「伊63」が伊予灘で衝突沈没し、97メートルの水深での救難作業が必要でした。この条件下での作業は非常に困難でしたが、船体の引き揚げには約1年を要しました。

また、1941年10月にも別の潜水艦「伊61」が玄界灘で事故に遭遇し、水深65メートルの場所で沈没しましたが、同更に「佐多」は潮吊り法を用いて無事に引き揚げを成功させました。

太平洋戦争における活動

太平洋戦争が始まると、「佐多」は引き続き燃料輸送任務を担い、特に海軍省所属となりサイゴンへの航空燃料の運搬を行いました。ミッドウェー海戦にも補給艦隊として参加し、その後は各地への燃料輸送に従事していきました。

1942年には艦載機による攻撃に晒され、潜水艦サーゴの攻撃に遭い、航行不能に。しかし、その後の曳航によって修理が施されたものの、1944年3月31日にパラオ大空襲で沈没しました。この際、同型艦や他の艦船も失われました。

最後の運命

最終的に「佐多」は1944年5月10日に除籍され、1947年5月5日に浮揚されて解体されることとなります。彼女の艦歴は、日本海軍の歴史を象徴するものとなり、特に戦争時の重要な任務を果たした艦として印象に残っています。

特務艦長と艤装員

「佐多」に関わる特務艦長や艤装員長の履歴は、艦の歴史を知る上で大変重要です。具体的には、加藤弘三大佐が初代艦長を務めたほか、多くの艦長や中佐が交代しながら艦を運営してきたことが記録されています。彼らの指導のもと、「佐多」は日本海軍の一翼を担い続けました。

このように、給油艦「佐多」はその活動を通じて日本海軍の要所であり続け、その栄光と悲劇を共に体現しています。

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