佐竹義倫

佐竹義倫（さたけ よしとも）は、江戸時代後期に佐竹氏一門の佐竹北家第17代当主、角館（かくのだて）第10代所預を務めた人物です。

生い立ちと家督相続

弘化5年（1848年）、佐竹東家当主である佐竹義祚（さたけ よしとも）の次男として誕生しました。幼名は輝吉（てるよし）、虎菊（とらきく）と名付けられ、通称は主計（かずえ）と称しました。

嘉永5年（1852年）、佐竹北家当主であった佐竹義許（さたけ よしなり）が早世したため、わずか5歳でその跡を継ぎ、佐竹北家の当主となりました。この時、実父である佐竹義祚は、幼少の藩主佐竹義睦（さたけ よしちか）に代わって藩政を主導していましたが、安政4年（1857年）には政争に敗れて蟄居を命じられ、隠居を余儀なくされました。

早世と後継者問題

佐竹義倫は、万延元年（1860年）8月4日に13歳という若さでこの世を去りました。若くして亡くなったため、佐竹北家の家督は一時的に空位となりました。その後、文久2年（1862年）に、藩主佐竹義堯（さたけ よしたか）の命により、江戸幕府旗本であった根来盛実（ねごろ もりざね、相馬樹胤の三男）の次男である竹之助（たけのすけ）が家督を相続することとなりました。

このように、佐竹義倫は幼くして佐竹北家の当主となりながらも、若くしてこの世を去ったため、その生涯は短く、佐竹北家の後継者問題に影響を与えることとなりました。

参考文献

* 林正崇『図説・角館城下町の歴史』無明舎出版、1982年

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