佐竹義祚

佐竹義祚（さたけ よしとし）

佐竹義祚は、文化14年（1817年）に相馬樹胤の五男として生まれ、初め相馬博胤と名乗りました。後に佐竹東家19代目当主となり、佐竹義矩と改名、通称を兼三郎、兼之助、中務と称しました。正室は岩城隆喜の五女倉子（浄真院）でしたが、死別。その後、同じく岩城隆喜の八女銀子を継室に迎えました。男子には、長男の佐竹義寿と、次男で佐竹義許の養子となった佐竹義倫がいます。

生涯

文政12年（1828年）には旗本水上織部の養子となりますが、後に縁組は解消されます。天保10年（1839年）に佐竹東家の当主であった佐竹義典が死去したため、天保11年（1840年）6月11日、佐竹東家の家督を相続しました。同年8月19日に江戸を出発し、9月5日に秋田に到着。9月24日には、秋田藩主佐竹義厚に拝謁しています。

弘化3年（1846年）、幼少の佐竹義睦が久保田藩主となった際、義祚は佐藤源右衛門とともに藩政を主導します。しかし、安政2年（1855年）に藩主義睦が佐藤源右衛門を蟄居させ、藩政の刷新を図ると、義祚はこれに反発。安政4年（1857年）5月21日には、失脚していた佐藤源右衛門の再登用を藩主義睦に強要するも失敗し、翌日、藩主義睦から蟄居を命じられます。その後、閏5月23日に隠居し、家督を息子の義寿に譲りました。

同年の7月、久保田藩主佐竹義睦が死去。久保田新田藩主であった佐竹義核（義祚の従兄弟で、後に義堯と改名）が本家を相続すると、義祚は息子義寿の久保田新田藩佐竹家相続を、実家の中村藩相馬家に働きかけます。この働きかけが問題視され、安政5年（1858年）2月には、家老・戸村義效へのお預けを命じられ、同年6月11日、横手にて42歳で死去しました。皮肉なことに、義寿は後に義效の娘を妻に迎えています。

義祚は、久保田藩の重臣として藩政に関与しましたが、藩主との対立や自身の失脚など、波乱に満ちた晩年を送りました。その生涯は、激動の幕末期における藩政の複雑さを物語るものと言えるでしょう。

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