佐竹義許

佐竹義許（さたけ よしもと）は、天保8年（1837年）に生まれ、嘉永5年6月20日（1852年8月5日）に16歳という若さでこの世を去った、佐竹氏一門の佐竹北家16代当主であり、角館9代所預を務めた人物です。

実父は久保田藩檜山所預であった多賀谷厚孝であり、母は佐竹義術の娘である於庫です。弟に多賀谷家知がいます。佐竹北家を継ぐにあたっては、外祖父にあたる佐竹義術の養子となりました。婚約者には西家佐竹義茂の娘である美恵子がいましたが、義許の早世により結婚は実現しませんでした。その後、佐竹義倫が養子となり家督を継承しました。幼名は徳太郎、初名は義致と名乗っていました。

男系では、佐竹義隣の仍孫（8世孫）にあたります。佐竹義許の出自は、久保田藩の重臣である多賀谷氏の血筋を受け継ぎ、佐竹氏の血筋も引くという、二つの家柄を背景に持つ人物でした。

生涯

義許は、天保8年（1837年）に久保田藩檜山所預であった多賀谷厚孝の長男として誕生しました。彼の母は佐竹義術の娘であり、義許は佐竹氏の血筋も引いていました。

佐竹北家は、義許の伯父（母の兄）である義陳が天保7年（1837年）に早世し、当主であった外祖父の義術も天保12年（1841年）に亡くなったため、義許がその跡を継ぐこととなりました。佐竹北家の歴代当主と同様、義許も書に秀でていたとされています。

しかし、嘉永5年（1852年）に16歳という若さで病没しました。その死は、佐竹北家にとって大きな痛手となりました。家督は、東家佐竹義祚の子である義倫が養子として迎えられ、相続することになりました。

婚約者・美恵子

義許の婚約者であった美恵子は、義許の死後も実家の西家には戻らず、高橋宗典に師事して和歌を学びました。彼女は、義許の死後も生涯独身を通し、明治25年（1892年）に58歳でこの世を去りました。美恵子の存在は、佐竹義許の生涯を語る上で、悲劇的な側面を際立たせるものとなっています。

まとめ

佐竹義許は、若くして亡くなりましたが、佐竹氏一門の歴史において重要な人物の一人です。その短い生涯の中で、彼は佐竹北家の当主として、また書に秀でた人物として、その名を残しました。婚約者の美恵子の存在を含め、彼の生涯は、多くの人々に語り継がれています。

参考資料

* 林正崇『図説・角館城下町の歴史』

もう一度検索