佐竹義躬

佐竹義躬（さたけ よしみ）は、江戸時代中期に活躍した武士であり、画家、俳人です。佐竹氏一門の佐竹北家の第13代当主として、また角館第6代所預として、その生涯を過ごしました。

生涯

寛延2年（1749年）、佐竹義躬は、佐竹義邦の長男としてこの世に生を受けました。明和6年（1769年）に父が隠居したことに伴い家督を相続し、角館城代に就任しました。安永4年（1776年）には、藩主である佐竹義敦の帰国御礼使者として江戸に赴き、将軍徳川家治に拝謁するという重要な役目を果たしました。天明元年（1781年）には、光格天皇の即位式典を祝賀する使者を務め、天明8年（1789年）には、藩主佐竹義和の将軍徳川家斉への御目見の介添え役を務めるなど、藩の要職を歴任しました。

また、寛政5年（1793年）には、郷校である弘道書院を開設し、教育にも力を注ぎました。寛政11年（1799年）に隠居し、家督を嫡男である義文に譲り、その翌年、寛政12年（1800年）に52歳でこの世を去りました。

芸術家として

佐竹義躬は、画家としても特筆すべき才能を持っていました。小田野直武から洋風画の指導を受け、花鳥図などの作品を制作しました。彼は、直武や佐竹義敦（曙山）と並び、秋田蘭画の代表的な画家の一人として数えられています。また、俳人としてもその才能を発揮し、父である義邦と同じく谷素外に師事し、素盈という号を用いて多くの俳句を詠みました。

佐竹義躬は、武士としての職務を全うする傍ら、芸術分野においても卓越した才能を発揮し、後世に名を残す人物として高く評価されています。

参考文献

林正崇『図説・角館城下町の歴史』無明舎出版、1982年
内田洸 池田芙美 柴橋大典編集 『世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画』 サントリー美術館、2016年11月16日

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