佐藤金之助

佐藤金之助

佐藤金之助（さとう きんのすけ、1898年10月8日 – 1972年3月20日）は、日本の柔道家。講道館9段、大日本武徳会教士。

経歴

秋田県雄勝郡西馬音内町（現・羽後町）に生まれる。幼少より太平山を駆け上り、豪雪地帯での生活で鍛えられた足腰を基盤に柔道の技を磨いた。1914年に講道館に入門し、翌年には初段を許される。三船久蔵の内弟子として柔道修行に励み、その技を習得した。

選手としての全盛期は3段位の頃からの約10年間。白井清一や伊藤四男らと共に三船門下の高弟として頭角を現し、特に佐藤は「三船2世」と称されるほどの巧さを持っていた。足技に長けており、独特の足技は名人芸とまで言われた。

1921年、青森県師範学校などで柔道師範を務める傍ら、大日本武徳会青森支部の柔道教師も拝命。その後、早稲田高等学院や大日本体育協会体操学校でも指導を行った。1924年には金沢市の旧制第四高校に赴任し、金沢医科大学や金沢高等工業学校でも後進の指導に当たった。当初は立技本位であったが、高専柔道の学生に苦しめられた経験から寝技の研究にも没頭し、得意技とした。

1924年と1925年の武徳祭大会で活躍し、「業師・佐藤」として全国的に知られるようになる。1926年には済寧館で開催された武道大会で裕仁皇太子の御前で優秀な成績を収めた。翌年、警視庁に奉職する一方、東京都世田谷区三軒茶屋に柔道場兼柔道整復院を開設した。

1929年の御大礼記念天覧武道大会では、指定選士32人の1人に選出。大会では小谷澄之、末次哲朗、浅見浅一といった強豪を破り、決勝トーナメントに進出。尾形源治との試合では、激闘の末に勝利した。牛島辰熊との試合では判定で敗れた。

その後も、警視庁武術師範として活躍。1934年には大日本武徳会の柔道教士号を拝受し、内外対抗柔道試合に内地軍の大将として出場。1936年の第1回全日本東西対抗大会では東軍大将として出場し、西軍大将の古沢勘兵衛と引き分けた。

1946年に警視庁名誉師範、1955年には国学院大学や日本大学獣医学部で名誉師範に就任し、後進の育成に尽力。東京都柔道整復師会副会長や東京都柔道連盟副会長も務めた。1958年には9段位を許される。1950年には参議院議員選挙に立候補したが落選した。

1969年に勲五等双光旭日章を受章。1972年に脳軟化症のため死去。戒名は「大成院柔豪金寿居士」。

脚注

注釈

特になし

出典

『秋田県柔道史』秋田県柔道連盟、1981年、非売品。
『国政選挙総覧：1947-2016』日外アソシエーツ、2017年。

関連項目

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