信欣三

信欣三（しん きんぞう）

信欣三は1910年に東京で生まれ、本名は信金蔵です。彼は1940年代から1980年代にかけて、数多くの舞台や映画、テレビドラマに出演し、特に名脇役として知られています。彼のキャリアは、戦前から始まり、戦後の日本映画とテレビドラマに大きな影響を与えました。信欣三は1988年に亡くなり、その功績は今も多くの人々に記憶されています。

来歴・人物

信欣三は東京市で育ち、泰明小学校から東京府立第一商業学校（現在の東京都立第一商業高等学校）を卒業しました。彼の俳優としての道は、1933年の映画『河向ふの青春』に初出演したことから始まり、その後、新協劇団に参加しました。劇団では『夜明け前』などの主な舞台に出演しました。

1939年には女優の赤木蘭子と結婚しますが、1940年の新劇弾圧によって彼と妻は治安維持法違反で逮捕され、劇団も強制解散となりました。後に、瑞穂劇団を結成し団長として活動しましたが、戦争の影響で召集されます。

復員後、信欣三は俳優座に入団し、映画にも徐々に出演し始めました。1951年には俳優座公演『夜の訪問者』で芸術祭奨励賞を受賞し、その名声が高まりました。1955年には俳優座を退団し、宇野重吉が創立した劇団民藝に参加。さらに1966年にはフリーの俳優として活躍し、再び俳優座に戻ることもありました。

映画・テレビドラマでの活躍

信欣三は主に脇役として知られていますが、1964年に公開された『帝銀事件 死刑囚』では平沢貞通役で主演を果たし、強い印象を残しました。また、彼は独特の風貌を生かしてテレビドラマでも数多くの作品に出演し、多くの視聴者に愛される存在となりました。

主な出演作品

信欣三は以下のような映画に出演しました:

• - 『空想部落』（1939年）
• - 『黒い潮』（1954年）
• - 『少年死刑囚』（1955年）
• - 『砂の器』（1974年）

彼はまた、多くのテレビドラマにも出演し、その中には『水戸黄門』『大岡越前』『武士の一分』などの名作があります。特に『あしたこそ』では50話以上の長期にわたる役柄を務め、視聴者から高い評価を受けました。

彼の演の幅は広く、時には厳格な人物、時には愛情深い父親役など、多彩なキャラクターを演じることで知られています。そのため、信欣三は広い世代にわたって愛され続ける俳優となりました。

若い頃から活躍し続けた信欣三は、多くの人に影響を与え、彼の作品を通じて日本の映画と演劇界に大きな足跡を残しました。彼の演劇的な才能は、映画やテレビ界で今もなおたくさんの人々に慕われています。信欣三は、昭和の日本を代表する俳優の一人として記憶されています。

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