光岡・ガリュー

光岡自動車 ガリュー：ロールスロイスを彷彿とさせる個性派セダンの歴史

光岡自動車は、個性的なデザインと独自の技術で知られる日本の自動車メーカーです。その中でも、ガリューシリーズは、同社を代表する高級セダンとして長年に渡り愛されてきました。本稿では、歴代のガリューモデルについて、その歴史、特徴、そして魅力を詳細に解説します。

ガリューI (1996年-2001年)

初代ガリューは、日産・クルーサルーンをベースに開発されました。2000cc直列6気筒エンジンを搭載し、5MTと4ATが用意されました。スタンダードとデラックスの2グレードに加え、全長6.6mという驚異的なサイズを誇る6ドアリムジンモデルも存在しました。

ガリューII (1999年-2004年)

1999年に登場したガリューIIは、日産・セドリック/グロリアをベースに、2500ccと3000ccのV型6気筒エンジンを搭載。キャッチコピーは「自分なりの哲学、自分なりのこだわり、それがGALUE『我流』。」でした。ガリューI同様、リムジンモデルも設定され、その全長は6360mmに達しました。最終的には、北米仕様のインフィニティ・M35をベースにした左ハンドル車も少数販売されました。

ガリューIII (2005年-2010年)

3代目となるガリューIIIは、日産・フーガをベースに開発されました。2500ccと3500ccのV型6気筒エンジンがラインナップされ、グレードはSTとLXに改められました。2007年には、フォード・マスタング・コンバーチブルをベースにした左ハンドル仕様の「ガリューコンバーチブル」が登場しました。2008年にはマイナーチェンジを実施、リアバンパーデザイン変更や新エンジンの搭載などが行われました。さらに同年には、全長を500mm延長した「ガリューリムジンS50」も発表されました。

ガリュー2-04 (2008年-2012年)

環境問題への関心の高まりを受け、よりコンパクトで環境性能に優れたモデルとして登場したガリュー2-04。ベース車両はトヨタ・カローラアクシオで、1.5Lと1.8Lのエンジンが設定されました。5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディでありながら、ガリューシリーズの特徴であるクラシカルなデザインを継承していました。光岡自動車初の試みとして、印刷物のカタログ配布を廃止し、ネットでの閲覧・ダウンロードのみとした点も特筆すべき点です。ガリュー2-04は、霊柩車仕様の「ミツオカリムジン type2-04」も展開されました。

ガリュー・クラシック (2010年-2012年)

ガリュー2-04と並行して販売されたガリュー・クラシックは、初代ガリューのコンセプトを踏襲し、高級感を重視したモデルです。トヨタ・カローラアクシオをベースに、本革シートや木目調パネルを採用することで、上質な空間を実現していました。2-04との違いとして、トヨタ・カローラフィールダーをベースとしたワゴンモデルが存在したことが挙げられます。

4代目ガリュー (2010年-2014年)

4代目ガリューは、日産・ティアナをベースに開発されました。ティアナより全長を100mm以上延長し、光岡独自のフロントグリルと丸目ヘッドライトを採用。2500ccと3500ccのエンジンが用意されました。2012年にはマイナーチェンジを実施、3.5Lエンジンの廃止や新色の追加などが行われました。20台限定の特別仕様車「Galue VIGORE」も登場しました。

5代目ガリュー (2015年-2020年)

最終モデルとなる5代目ガリューは、3代目日産・ティアナをベースに開発され、フィアット500と同一部品を使用するテールランプが特徴的です。セダン市場の冷え込みにより、2020年に生産終了となりました。しかし、その歴史は、限定車『Galue 350 Limited』の発表によって再び注目を集めることとなります。このモデルは、米国現地法人設立35周年を記念した、日産・アルティマをベースとした左ハンドル車でした。

まとめ

ガリューシリーズは、ロールスロイスを彷彿とさせるデザインと、日産車などをベースにした独自の改良を融合させた、光岡自動車の代表的なモデルです。各世代で異なるベース車両やコンセプトを採用しながら、常に「我流」の精神を貫き通してきた歴史は、日本の自動車史においても重要な位置を占めています。

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