光禄勲

光禄勲（こうろくくん）

光禄勲は、古代中国に存在した官職の一つです。主に宮廷内の警護や皇帝の行幸に際しての随行を職務としていました。

秦・前漢時代

光禄勲は九卿の一つとして位置づけられていました。その起源は秦の時代に遡り、宮殿の脇の門を守衛する郎中令がその前身です。前漢の武帝の時代に太初元年（紀元前104年）に光禄勲と改称されました。

属官

光禄勲には、以下のような属官がいました。

大夫: 朝廷での政策進言などを担当しました。太中大夫、諫大夫、中大夫などが存在しました。
郎: 宮門の守衛を担当し、皇帝の巡幸の際には車騎に乗りました。議郎、中郎、侍郎、郎中などがいました。
中郎将: 五官、左、右の3将がありました。
郎中将: 車、戸、騎の3将がありました。
謁者: 迎賓などを担当しました。
期門: 護衛兵を統括しました。平帝の時代に虎賁郎と改称されました。
虎賁中郎将
羽林: 皇帝の警護を担当しました。最初は建章営騎と呼ばれていましたが、後に羽林騎と改められました。
羽林中郎将、羽林騎都尉

後漢時代以降

後漢の時代にも光禄勲は引き続き存在し、秩禄は中二千石でした。丞が一人置かれました。

属官

後漢時代の光禄勲には、以下のような属官がいました。

五官中郎将 - 五官中郎 - 五官侍郎 - 五官郎中
左中郎将 - 中郎 - 侍郎 - 郎中
右中郎将 - 中郎 - 侍郎 - 郎中
虎賁中郎将 - 左右僕射、左右陛長、虎賁中郎 - 虎賁侍郎 - 虎賁郎中 - 節従虎賁
羽林中郎将 - 羽林郎
羽林左監 - 羽林左監丞
羽林右監 - 羽林右監丞
奉車都尉
駙馬都尉
騎都尉
光禄大夫
太中大夫
中散大夫
諫議大夫
議郎
謁者僕射 - 常侍謁者 - 給事謁者、灌謁者

郎官は宮中を守衛し、皇帝が巡幸するときは車騎に同乗しました。大夫や議郎は顧問や応対を掌り、有事ではないときは詔令の使者となりました。

三国時代の各国や西晋でも引き続き光禄勲は置かれました。

参考文献

班固『漢書』表第七上「百官公卿表」上
* 司馬彪『続漢書』「百官志二」

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