入来院重聡

入来院重聡は、戦国時代に活躍した武将であり、入来院氏の11代目当主です。父である入来院重豊の跡を継ぎ、薩摩国入来院を本拠地として、薩摩、大隅、筑前、筑後にも所領を持っていました。

1490年、重聡は家督を相続すると、島津氏の家臣として忠勤に励みました。1510年には、島津忠治から隈之城を与えられ、その勢力を拡大しました。1529年には、薩州家の島津実久と戦い、薩摩川内市以西を攻略するなど、武将としての才能を発揮しました。

当時の島津家は、島津貴久、島津勝久、島津実久の三派に分裂しており、重聡は当初、島津忠良・貴久父子に従い、数々の軍功を挙げました。1530年以降は、終生にわたり彼らに忠誠を誓い、その勢力拡大に貢献しました。また、重聡は忠良の求めに応じて、自身の娘（雪窓夫人）を貴久に嫁がせました。雪窓夫人は、後の島津四兄弟（義久、義弘、歳久）を産み、島津家の繁栄に大きく貢献しました。

重聡の軍功は高く評価され、1536年には百次城、1537年には郡山城を安堵されました。伊集院竹山城攻めにも参加するなど、戦場での活躍は目覚ましいものでした。しかし、1539年に貴久が市来平城を攻め落とすと、重聡は高齢を理由に軍役から退き、嫡子である重朝に家督を譲りました。その後、1532年から1555年の間に病没しました。

入来院重聡は、戦国時代の動乱期において、島津氏を支えた重要な武将の一人でした。その忠誠心と武勇は、後世にも語り継がれています。また、娘の雪窓夫人が島津四兄弟を産んだことは、島津家の歴史において非常に重要な出来事であり、入来院重聡の存在を一層際立たせるものとなっています。

主な参考文献は以下の通りです。

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集(13)　（鹿児島県史料刊行委員会）
『戦国人名事典』コンパクト版（新人物往来社） ISBN 4-404-01752-9
* 『新薩摩学　中世薩摩の雄 渋谷氏』（南方新社　2011年） ISBN 978-4-86124-207-6

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