全日本アマチュア本因坊戦

全日本アマチュア本因坊戦

全日本アマチュア本因坊戦は、1955年から続く囲碁のアマチュア棋戦であり、アマチュア囲碁界における最も権威のある大会の一つです。略して「アマ本因坊戦」とも呼ばれ、正式名称は「全日本アマチュア本因坊決定戦」です。2024年には70回目を迎えました。

大会の概要

この大会の優勝者には「アマチュア本因坊」の称号が与えられます。また、特典としてプロ本因坊保持者との対抗戦への出場権が与えられます。各都道府県の予選を勝ち抜いた選手は「（都道府県）本因坊」と呼ばれることもあります。
さらに、決定戦でベスト8に入賞した選手には、プロ棋戦である阿含・桐山杯への出場資格が与えられます。

出場選手

全日本アマチュア本因坊戦には、全国21地区で開催される地区予選を勝ち抜いた代表選手と、主催者から招待された選手が出場します。招待選手には、前回の優勝者、名誉アマ本因坊の称号保持者、全日本学生本因坊戦、全日本女子学生[[本因坊決定戦]]、ジュニア本因坊戦の各優勝者などが含まれます。

過去には、各都道府県の予選を勝ち抜いた都道府県代表選手と招待選手が出場していました。招待選手は、過去の優勝者、全日本女流アマチュア[[囲碁選手権大会]]、全日本学生本因坊戦、全日本女子学生[[本因坊決定戦]]、少年少女囲碁大会の各優勝者などが対象でした。
第40回大会からは、招待選手の数を増やし、2敗失格の予選リーグを勝ち抜いた選手による本戦トーナメントを行う方式に変更されました。

過去の優勝者

過去の優勝者
1955年 平田博則
1956年 岡光雄
1957年 菊池康郎
1958年 菊池康郎
1959年 菊池康郎
1960年 村上文祥
1961年 原田実
1962年 菊池康郎
1963年 原田実
1964年 原田実
1965年 菊池康郎
1966年 菊池康郎
1967年 村上文祥
1968年 原田実
1969年 菊池康郎
1970年 鳴海直
1971年 三浦浩
1972年 菊池康郎
1973年 菊池康郎
1974年 三浦浩
1975年 田口哲朗
1976年 村上文祥
1977年 菊池康郎
1978年 村上文祥
1979年 三浦浩
1980年 三浦浩
1981年 村上文祥
1982年 菊池康郎
1983年 菊池康郎
1984年 菊池康郎
1985年 中園清三
1986年 平田博則
1987年 中園清三
1988年 平田博則
1989年 原田実
1990年 中園清三
1991年 田中正人
1992年 中園清三
1993年 平田博則
1994年 高野英樹
1995年 中園清三
1996年 坂井秀至
1997年 原田実
1998年 田中正人
1999年 三浦浩
2000年 岩井竜一
2001年 小森祥嗣
2002年 鮫島一郎
2003年 原田実
2004年 田中伸拓
2005年 平岡聡
2006年 村上深
2007年 瀧澤雄太
2008年 洪マルグンセム
2009年 平岡聡
2010年 柳慎桓
2011年 中園清三
2012年 平岡聡
2013年 洪奭義
2014年 洪奭義
2015年 芝野龍之介
2016年 大関稔
2017年 林隆羽
2018年 平岡聡
2019年 大関稔
2020年 中止
2021年 平岡聡
2022年 栗田佳樹
2023年 大関稔
2024年 大関稔

名誉アマチュア本因坊

過去に4回以上優勝した選手には、2010年から「名誉アマチュア本因坊」の称号が贈られるようになりました。毎日新聞社から、菊池康郎、原田実、三浦浩、中園清三、平田博則の5名が顕彰を受けました。2018年には平岡聡、2024年には大関稔もこの資格を得ています。

プロアマ本因坊対抗戦

1963年以降、毎年プロアマ本因坊対抗戦が行われています。プロ側は本因坊保持者、アマ側は全日本アマチュア本因坊戦の優勝者が出場します。1995年からは、東京・池袋のサンシャインシティで開催されています。これは、1995年のアマ本因坊であった中園清三がサンシャインシティに勤務していた縁によるものです。

手合割はアマ側の2子から始まり、前年の対戦結果によって変動します。過去には、アマ先3目半コミもらいから3子までの間で行われました。

過去の対戦成績（左がアマ本因坊）

1963年 原田実 ○ 二子 × 坂田栄男
1964年 原田実 ○ 二子 × 坂田栄男
1965年 菊池康郎 ○ 先5目コミもらい × 坂田栄男
1966年 菊池康郎 × 先4目コミもらい ○ 坂田栄男
1967年 村上文祥 ○ 先5目もらい × 坂田栄男
1968年 原田実 × 先3目半コミもらい ○ 林海峰
1969年 菊池康郎 ○ 先4目半コミもらい × 林海峰
1970年 鳴海直 × 先3目半コミもらい ○ 林海峰
1971年 三浦浩 × 二子 ○ 石田芳夫
1972年 菊池康郎 × 先3目半コミもらい ○ 石田芳夫
1973年 菊池康郎 × 先4目半コミもらい ○ 石田芳夫
1974年 三浦浩 × 先4目半コミもらい ○ 石田芳夫
1975年 田口哲郎 × 先4目半コミもらい ○ 石田芳夫
1976年 村上文祥 × 先4目コミもらい ○ 武宮正樹
1977年 菊池康郎 × 先5目半コミもらい ○ 加藤正夫
1978年 村上文祥 × 先4目半コミもらい ○ 加藤正夫
1979年 三浦浩 × 先5目半コミもらい ○ 加藤正夫
1980年 三浦浩 × 二子 ○ 武宮正樹
1981年 村上文祥 × 先5目半コミもらい ○ 趙治勲
1982年 菊池康郎 ○ 二子 × 趙治勲
1983年 菊池康郎 × 先5目コミもらい ○ 林海峰
1984年 菊池康郎 ○ 二子2目半コミ出し × 林海峰
1985年 中園清三 ○ 先5目コミもらい × 武宮正樹
1986年 平田博則 × 先2目半コミもらい ○ 武宮正樹
1987年 中園清三 ○ 先5目コミもらい × 武宮正樹
1988年 平田博則 × 先2目半コミもらい ○ 武宮正樹
1989年 原田実 ジゴ 先5目コミもらい - 趙治勲
1990年 中園清三 × 先5目コミもらい ○ 趙治勲
1991年 田中正人 × 二子2目半コミ出し ○ 趙治勲
1992年 中園清三 × 二子 ○ 趙治勲
1993年 平田博則 × 二子2目半コミもらい ○ 本因坊治勲
1994年 高野英樹 × 二子5目コミもらい ○ 本因坊治勲
1995年 中園清三 ○ 三子2目半コミ出し × 本因坊治勲
1996年 村岡利彦 × 二子5目コミもらい ○ 本因坊治勲
1997年 原田実 × 三子2目半コミ出し ○ 本因坊治勲
1998年 田中正人 ○ 三子 × 本因坊治勲
1999年 三浦浩 ○ 三子2目半コミ出し × 趙善津
2000年 岩井竜一 ○ 二子5目コミもらい × 王銘琬
2001年 小森祥嗣 × 二子2目半コミもらい ○ 王銘琬
2002年 鮫島一郎 ○ 二子5目コミもらい × 加藤正夫
2003年 原田実 ジゴ 二子3目コミもらい - 張栩
2004年 田中伸拓 × 二子3目コミもらい ○ 張栩
2005年 平岡聡 ○ 二子6目コミもらい × 高尾紳路
2006年 村上深 ○ 二子3目コミもらい × 高尾紳路
2007年 瀧澤雄太 × 二子 ○ 高尾紳路
2008年 洪マルグンセム ○ 二子3目コミもらい × 羽根直樹
2009年 平岡聡 ○ 二子 × 羽根直樹
2010年 柳慎桓 ○ 二子3目コミ出し × 山下敬吾
2011年 中園清三 ○ 先6目コミもらい × 山下敬吾
2012年 平岡聡 × 先3目コミもらい ○ 井山裕太
2013年 洪奭義 ○ 先6目コミもらい × 井山裕太
2014年 洪奭義 × 先3目コミもらい ○ 井山裕太
2015年 芝野龍之介 × 先6目コミもらい ○ 井山裕太
2016年 大関稔 × 二子3目コミ出し ○ 本因坊文裕
2017年 林隆羽 × 二子 ○ 本因坊文裕
2018年 平岡聡 ○ 二子3目コミもらい × 本因坊文裕
2019年 大関稔 ○ 二子 × 本因坊文裕
2021年 平岡聡 × 先6目コミもらい ○ 本因坊文裕
2023年2月 栗田佳樹 × ○ 本因坊文裕
2023年12月 大関稔 × 先6目コミもらい ○ 一力遼
2024年 大関 × 先6目コミもらい ○ 一力

外部リンク

毎日新聞社 全日本アマチュア本因坊戦
* 日本棋院 アマ棋戦情報

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