全米映画俳優組合賞主演男優賞

全米映画俳優組合賞 主演男優賞について

全米映画俳優組合賞主演男優賞（Screen Actors Guild Award for Outstanding Performance by a Male Actor in a Leading Role）は、映画俳優組合（SAG-AFTRA）が、映画界で最も優れた男性俳優の主演演技を讃えるために授与する賞です。この賞は、映画俳優たちの卓越した業績を称えるだけでなく、業界内での俳優の地位向上にも寄与しています。

受賞と候補者

この賞は、毎年、その年の映画界で最も印象的な主演男優の演技に対して贈られます。受賞者と候補者の選出は、映画俳優組合のメンバーによる投票によって決定されます。受賞者リストには、映画史に名を残す数々の名優たちが名を連ねており、その年の映画界を代表する演技を振り返る上で非常に重要な指標となっています。

アカデミー賞との関連性

全米映画俳優組合賞主演男優賞は、アカデミー主演男優賞の有力な前哨戦としても知られています。多くの場合、この賞の受賞者は、その後のアカデミー賞でも受賞を果たしています。しかし、過去には、全米映画俳優組合賞を受賞したにもかかわらず、アカデミー賞では別の俳優が受賞するというケースも存在します。以下に、その例をいくつか紹介します。

2000年: ベニチオ・デル・トロ（『トラフィック』）は全米映画俳優組合賞を受賞しましたが、アカデミー賞ではラッセル・クロウ（『グラディエーター』）が受賞しました。
2001年: ラッセル・クロウ（『ビューティフル・マインド』）は全米映画俳優組合賞を受賞しましたが、アカデミー賞ではデンゼル・ワシントン（『トレーニングデイ』）が受賞しました。
2002年: ダニエル・デイ＝ルイス (『ギャング・オブ・ニューヨーク』)は全米映画俳優組合賞を受賞しましたが、アカデミー賞ではエイドリアン・ブロディ (『戦場のピアニスト』)が受賞しました。
2003年: ジョニー・デップ（『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち|パイレーツ・オブ・カリビアン_呪われた海賊たち』）は全米映画俳優組合賞を受賞しましたが、アカデミー賞ではショーン・ペン（『ミスティック・リバー』）が受賞しました。
2016年: デンゼル・ワシントン (『フェンス』)は全米映画俳優組合賞を受賞しましたが、アカデミー賞ではケイシー・アフレック (『マンチェスター・バイ・ザ・シー』)が受賞しました。
2020年: チャドウィック・ボーズマン (『マ・レイニーのブラックボトム』)は全米映画俳優組合賞を受賞しましたが、アカデミー賞ではアンソニー・ホプキンス (『ファーザー』)が受賞しました。

また、2000年のベニチオ・デル・トロは、アカデミー賞では助演男優賞を受賞しましたが、同年の全米映画俳優組合賞では主演男優賞を受賞しており、両賞でのカテゴリーの違いも興味深い点です。

複数回受賞者と候補者

全米映画俳優組合賞主演男優賞では、複数回受賞している俳優や、複数回候補に挙がっている俳優がいます。

複数回受賞者

3回受賞
ダニエル・デイ＝ルイス（『ギャング・オブ・ニューヨーク』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『リンカーン』）

複数回候補者

2回候補
ジェフ・ブリッジス（『クレイジー・ハート』、『トゥルー・グリット』）
ニコラス・ケイジ（『リービング・ラスベガス』、『アダプテーション』）
ロバート・デュヴァル（The Apostle、Get Low）
コリン・ファース（『シングルマン』、『英国王のスピーチ』）
モーガン・フリーマン（『ショーシャンクの空に』、『インビクタス』）
フィリップ・シーモア・ホフマン（『フローレス』、『カポーティ』）
ジャック・ニコルソン（『恋愛小説家』、『アバウト・シュミット』）
ジェフリー・ラッシュ（『シャイン』、『クイルズ』）
フォレスト・ウィテカー （『ラストキング・オブ・スコットランド』、『大統領の執事の涙』）
エディ・レッドメイン (『博士と彼女のセオリー』、『リリーのすべて』)
ブラッド・ピット (『ベンジャミン・バトン』、『マネーボール』)
ジェームズ・フランコ (『127時間』、『ディザスター・アーティスト』)
クリスチャン・ベール (『バイス』、『フォードvsフェラーリ』)
ホアキン・フェニックス (『ウォーク・ザ・ライン』、『ジョーカー』)
ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男|ウィンストン・チャーチル_ヒトラーから世界を救った男』、『Mank』'>[ゲイリー・オールドマン]
[アンソニー・ホプキンス]
パワー・オブ・ザ・ドッグ』'>[ベネディクト・カンバーバッチ]
ハクソー・リッジ』、『tick, tick... BOOM!』'>[アンドリュー・ガーフィールド]
ドリームプラン』'>[ウィル・スミス]
サイドウェイ』、The Holdovers'>[ポール・ジアマッティ]

3回候補
ダニエル・デイ＝ルイス（『ギャング・オブ・ニューヨーク』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『リンカーン』）
ジョージ・クルーニー（『フィクサー』、『マイレージ、マイライフ』、『ファミリー・ツリー』）
ジョニー・デップ（『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち|パイレーツ・オブ・カリビアン_呪われた海賊たち』、『ネバーランド』、『ブラック・スキャンダル』）
ライアン・ゴズリング（『ハーフネルソン』、『ラースと、その彼女』、『ラ・ラ・ランド』）
ヴィゴ・モーテンセン (『イースタン・プロミス』、『はじまりへの旅』、『グリーンブック』)
ブラッドリー・クーパー (『世界にひとつのプレイブック』、『アリー』、『マエストロ』)

4回候補
ラッセル・クロウ（『インサイダー』、『グラディエーター』、『ビューティフル・マインド』、『シンデレラマン』）
ショーン・ペン（『デッドマン・ウォーキング』、『アイ・アム・サム』、『ミスティック・リバー』、『ミルク』）
トム・ハンクス（『フォレスト・ガンプ/一期一会|フォレスト・ガンプ_一期一会』、『プライベート・ライアン』、『キャスト・アウェイ』、『キャプテン・フィリップス』）

5回候補
レオナルド・ディカプリオ（『アビエイター』、『ブラッド・ダイヤモンド』、『J・エドガー』、『レヴェナント: 蘇えりし者』、『ワンス・アポン...』）

6回候補
デンゼル・ワシントン（『ザ・ハリケーン』、『トレーニングデイ』、『フライト』、『フェンス』、『ローマンという名の男』、『マクベス』）

まとめ

全米映画俳優組合賞主演男優賞は、映画俳優の卓越した演技を称える重要な賞であり、アカデミー賞の動向を占う上でも注目されています。この賞の歴史を振り返ることで、映画界の変遷や名優たちの足跡を辿ることができます。受賞者と候補者のリストは、映画ファンにとって貴重な情報源となるでしょう。

外部リンク

公式ウェブサイト（英語）

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