八幡 (市川市)

千葉県市川市八幡：歴史と文化が薫る街

八幡（やわた）は、千葉県市川市に位置する町丁で、かつての葛飾郡八幡町に相当します。現在は八幡一丁目から六丁目までの区域に分かれ、郵便番号は272-0021です。

地理的特徴

市川市の北部に位置し、JR総武線・都営新宿線本八幡駅と京成本線京成八幡駅周辺は商業地として賑わっています。また、市川市の行政中心地としての役割も担っており、市川市役所や市川市消防局本部などが置かれています。

地域内には、「入ったら出られない藪や迷路」として知られる「八幡の藪知らず」や、下総国総鎮守である葛飾八幡宮が鎮座しています。

地域の南部には、JR総武線、国道14号（千葉街道）、京成本線、都営新宿線が走り、交通の便が良いのが特徴です。江戸時代には佐倉街道（成田街道）の八幡宿が置かれ、交通の要衝として栄えました。

文化

小説家永井荷風や、シナリオ作家水木洋子が晩年を過ごした地としても知られています。永井荷風の作品「断腸亭日乗」や「葛飾土産」、伊藤左千夫の「八幡の森」には、当地の様子が描かれています。

京成八幡駅近くの自宅で永井荷風は亡くなり、駅周辺には「荷風の散歩道」と名付けられた通りが残っています。この道は、近隣の菅野に住んでいた幸田露伴の娘、幸田文などが買い物や駅への行き帰りに利用した道でもあります。また、葛飾八幡宮近くには、昭和時代に活躍した歌手岡晴夫が住んでいました。

永井荷風が愛した料理店「大黒家」は2017年に閉店しましたが、現在は「大人の学び舎大黒家」として屋号が残されています。

地価

2017年の公示地価によれば、住宅地は八幡1-19-1の地点で35万8,000円/m2、商業地は八幡2-16-6の地点で120万円/m2となっています。

歴史

1869年（明治2年）：葛飾県葛飾郡八幡町となる。
1871年（明治4年）：印旛県葛飾郡八幡町となる。
1873年（明治6年）：千葉県葛飾郡八幡町となる。
1878年（明治11年）：東葛飾郡八幡町となる。
1889年（明治22年）：菅野村、宮久保村と合併し、東葛飾郡八幡町大字八幡となる。
1934年（昭和9年）：市川町、中山町、国分村と合併し、市川市大字八幡となる。
1951年（昭和26年）：市川市八幡町となる。
1967年（昭和42年）：住居表示実施により、市川市八幡一丁目 - 八幡六丁目となる。

地名は、当地にある葛飾八幡宮に由来します。

交通

JR総武線・都営地下鉄新宿線：本八幡駅
京成本線：京成八幡駅

主な施設

京成電鉄本社
市川市役所
市川市消防局本部・東消防署
葛飾八幡宮
* 八幡の藪知らず

八幡は、交通の便が良く、生活に必要な施設も充実しているため、住みやすい街として知られています。また、歴史的な名所や文化的な背景も有しており、魅力的な地域と言えるでしょう。

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