内山城

内山城（うちやまじょう）

内山城は、長野県佐久市内山地区に位置する山城です。その歴史は戦国時代に遡り、永正年間に大井美作入道玄岑によって築城されたと伝えられています。この城は、信濃国衆である岩村田大井氏の居城として機能していました。

戦国時代の攻防

戦国時代、甲斐の武将・武田晴信（後の信玄）は、天文10年（1541年）から信濃侵攻を開始しました。この侵攻の中で、内山城は重要な戦略拠点となりました。『高白斎記』によると、天文12年（1543年）には、長窪城主であった大井貞隆が武田軍に捕縛されました。その後、貞隆の子息である貞清が内山城で抵抗を続けましたが、天文15年（1546年）に武田氏は佐久郡への侵攻を本格化させ、同年5月3日には内山城への攻撃を開始しました。そして、同月21日、貞清はついに武田軍に降伏し、野沢（現在の佐久市）へと退きました。

武田氏の支配

降伏後、内山城は一時的に大井貞清が城代を務めましたが、間もなく武田家の家臣である上原伊賀守（小山田備中守、虎満）が新たな城代として任命されました。虎満はその後、死去するまで佐久郡の郡代としてこの地を治めました。天文17年（1548年）には、上田原の戦いで武田軍を撃退した村上義清が内山城を攻めましたが、武田晴信は諏訪上原城から出馬してこれを退けました。

廃城

天正10年（1582年）、武田氏が滅亡した後、内山城は天正11年（1583年）に徳川家康の配下である依田信蕃らによって攻略され、廃城となりました。これにより、内山城はその歴史に幕を閉じました。

現在

現在、内山城の具体的な遺構はほとんど残っていませんが、その歴史的な価値は高く評価されています。城跡からは、周囲の山々や佐久平を一望でき、かつての戦国時代の様子を偲ぶことができます。内山城は、その立地と戦略的な重要性から、地域の歴史を語る上で欠かせない存在です。

参考文献

信濃史学会編 『信州の山城 信濃史学会研究叢書2』 1988年
南原公平 著『信州の城と古戦場』 しなのき書房 2009年

外部リンク

内山城の位置を示した地図mapion

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