内藤学文

内藤学文

内藤学文（ないとう さとふみ）は、江戸時代中期に三河国挙母藩（現在の愛知県豊田市）を治めた大名です。挙母藩内藤家の6代目当主であり、第2代藩主にあたります。

生涯

寛延4年（1751年）9月16日、内藤学文は和歌山藩主・徳川宗将の四男として誕生しました。幼名は鉄之丞と名付けられました。明和元年（1764年）9月28日、挙母藩主・内藤政苗の養子となり、初めは政養（まさもち）と名乗りました。

明和3年（1766年）11月26日、養父である政苗の隠居に伴い家督を継ぎ、挙母藩内藤家第2代藩主となりました。同年12月には、従五位下・右近将監に叙位・任官しました。

当時の挙母藩は、財政難や家臣団の対立など、多くの問題を抱えていました。さらに、大雨や矢作川の洪水といった災害が相次ぎ、明和5年（1768年）には水害によって年貢収入が大幅に減少するという事態に見舞われました。明和7年（1770年）7月には、江戸屋敷が焼失するという災難も起こりました。

このような状況の中、学文は矢作川の改修に尽力し、安永2年（1773年）8月には安永川を開削しました。安永5年（1776年）8月には大坂加番に任じられました。

天明2年（1782年）2月、政養から学文へと改名しました。天明5年（1785年）には、挙母城（七州城）を完成させました。天明7年（1787年）には、藩校である崇化館を創設しました。

学文は、もともと部屋住みの身分であった頃から学問を好んでおり、学問に対する熱意は非常に深かったと言われています。藩校を創設した学文は、自ら講義を行うこともあったという逸話も残っています。特に儒学に理解があり、質素倹約や孝行を重視する姿勢を示しました。その他にも、文武や農業を奨励し、祭事や市などを推奨して、藩内の賑わいを創出することに尽力しました。

寛政6年（1794年）6月10日、江戸藩邸にて死去しました。享年44歳。実子は全て早世していたため、跡は養子の政峻が継ぎました。

系譜

実父: 徳川宗将
実母: 清信院 - 吉田意安の娘、側室
養父: 内藤政苗
正室: 内藤政子 - 秀子、内藤信興の娘
継室: 森政子 - 千代子、森忠洪の娘
養子: 内藤政峻 - 内藤政陽の次男

内藤学文は、藩政の立て直しや文化の振興に尽力した藩主として、その名を歴史に刻んでいます。特に、藩校の創設は、人材育成という面で大きな功績であったと言えるでしょう。

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