金草岳

草岳(かなくさだけ)



草岳は、岐阜県揖斐郡揖斐川町、福井県今立郡池田町と南条郡南越前町にまたがる標高1,227mのです。両白[[山地]]の南部に位置し、越美地の一部を形成しています。別名として「糞ヶ岳(かなくそがだけ)」、「塚奥」とも呼ばれます。塚奥という名称は、徳村塚の奥にあるであることに由来します。

名の由来



名は福井県側で呼ばれることが多く、その由来には諸説あります。北麓にある芋ヶ平(いもがひら)という場所が、かつて鋳物師の集落であったことから、に関連する説や、「糞岳」が訛ったという説が有力です。1685年の「絵図記」には「糞ヶ岳」と記されており、美濃のと明記されていました。1815年の「越前名蹟考」では「糞ヶ嶽」と表記されています。幕末頃に現在の「草岳」という名称になったと考えられています。

地理と特徴



頂付近にはチャートが分布しており、域には集落などの居住地はありません。かつては林道冠線が整備されていなかったため、訪問者は稀で、イヌワシの生息地とされていました。頂は狭く、二等三角点が設置されています。冠から桧尾までの北側の福井県側の域は、「楢俣ブナ植物群落保護林」として保護されており、手つかずの自然が残されています。頂付近の東側にある小ピークの白倉には、ニッコウキスゲの群落が広がっており、初夏にはニッコウキスゲやシモツケソウなどの美しい々が見られます。桧尾から北側の稜線上には、ホンシャクナゲやミツバツツジなどが自生しており、登者を楽しませてくれます。



草岳は登対象のとして人気があり、特に冠からの登ルートは、岐阜県による「のグレーディング」で、技術的難易度が低く、体力度も小さいと評価されています。冠から冠とセットで日帰り登を楽しむ人も多くいます。岐阜県岳連盟によって、ぎふ百の一つにも選定されています。

以下の登道が開設されています。

からのルート: - 桧尾 - 白倉 - 草岳
楢又からのルート: 楢又 - 桧尾 - 白倉 - 草岳

桧尾付近の東側の登道から10mほど下った添又谷の源流部には流水があり、登者の喉を潤します。稜線部や頂からは、周囲の々を一望できる素晴らしい展望が広がります。

周辺の地理



草岳は岐阜県福井県の県境に位置しており、頂部は岐阜県揖斐川町と福井県池田町にまたがっています。北西側の域は南越前町に属します。頂の東北東約500mには、白倉谷の源流である白倉標高約1,200m)の小ピークがあります。冠と桧尾の間にあるピーク(標高1,046.6m)は、「布滝ノ頭」と呼ばれています。

周辺の



標高
-- --
1,257m
三周ヶ岳 1,287m
能郷白 1,617m
籾糠 1,744m


源流の河川



草岳は、揖斐川と日野川の支流の源流となるで、伊勢湾日本海へ流れる分水嶺を形成しています。徳ダムの北西18kmに位置しています。

主な源流河川

揖斐川の支流: 道谷、ソバク又
日野川の支流 (九頭竜川水系): 藤倉谷川
足羽川(日野川の支流)の支流: 割谷川、白倉谷

周辺の



位置 標高 備考
-- ----- -- ----
頂の東3.0km 1,050m 林道冠線が通る
桧尾 頂の東北東1.8km -
高倉 頂の西南西3.5km 約960m 林道塚線が通る

交通・アクセス



草岳は、JR西日本今庄駅の東15km、養老鉄道養老線揖斐駅の北北西40kmに位置しています。北陸自動車道今庄インターチェンジの東15km、名神高速道路大垣インターチェンジの北北西57kmです。東側の域には林道冠線が通っており、南側の道谷沿いには林道が、高倉を経由して西側の藤倉谷川沿いには林道塚線が通っています。周辺は特別豪雪地帯であり、林道は積雪期に閉鎖されます。

草岳の風景と展望



草岳は、根張りの大きな容が特徴です。頂からは白、冠、北アルプス、御嶽など、周囲の々を一望できる絶景が広がります。

脚注



注釈



注釈は特になし

出典



参考文献に記載

参考文献



岐阜県岳連盟『ぎふ百』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474。
徳久球雄 編『コンサイス日本名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1。
島田靖、堀井啓介『改訂版 岐阜県と溪谷社〈新・分県登ガイド・改訂版〉、2009年12月。ISBN 9784635023702。
西秀夫『東海周辺 週末の登り ベスト120』と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイドNEXT〉、2015年2月5日。ISBN 978-4635014540。
荒井魏 編『日本三百名毎日新聞社、1997年3月。ISBN 4620605247。
日本岳会『新日本岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1。
宮本数男『改訂版 福井県と溪谷社〈新・分県登ガイド〉、2010年3月15日。ISBN 978-4-635-02369-6。
吉川幸一『こんなに楽しい岐阜の旅100コース 美濃〈上〉』風媒社、2005年3月。ISBN 4833101149。

関連項目




林道塚線
ぎふ百

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。