冨田 (小惑星)

冨田 (2391 Tomita)

冨田は、ニサ族に属する小惑星の1つで、その直径は約15キロメートルです。1957年1月9日にドイツの天文学者カール・ラインムートによって、南ドイツのケーニッヒシュトゥール天文台で発見されました。この小惑星は、日本の天文学者冨田弘一郎に敬意を表して名付けられています。

軌道と分類

冨田は、太陽から2.1から2.8天文単位の範囲で公転し、3年10か月（約1,393日）の周期を持つ小惑星です。軌道離心率は0.13で、黄道面に対する軌道傾斜角は3度です。発見前に撮影された最初の観測記録は1929年にローウェル天文台で取得されたもので、発見から28年も前にさかのぼります。実際の発見はハイデルベルク天文台によって行われました。

物理的性質

冨田は、Collaborative Asteroid Lightcurve Link (CALL)によれば、岩石質のS型小惑星として分類されていますが、パンスターズによる測光観測では炭素質のC型小惑星としても見なされています。このように、冨田の分類は運用する観測機器や方法によって異なります。

直径とアルベド

NASAのNEOWISEミッションを含む広視野赤外線探査機による調査では、冨田の直径は15.04から19.4キロメートルの範囲と報告され、アルベドは0.03から0.07とされています。ただし、CALLの推定に基づくと、より高いアルベドを考慮した場合の直径は9.2キロメートルになります。これらの数値は、冨田の物理的な特性を理解する手助けをしており、今後の研究においても重要です。

自転速度

2013年12月の測光観測により、冨田の自転速度について2つの異なる光学曲線が得られました。これによると、各自転周期はそれぞれ7.9533±0.0005時間と8.435±0.079時間で、光の変化は0.14および0.15程度と言われています。これらのデータは、冨田の自転特性を示しており、今後の観測活動においてさらに掘り下げられる予定です。

名称の由来

冨田小惑星の名称は、日本を代表する天文学者であり、小惑星や彗星の発見者でもある冨田弘一郎（1925年-2006年）に由来します。冨田は日本における天文学の普及にも貢献したことで知られ、本小惑星に名付けられたことはその功績を称えるものであります。公式な命名の発表は、1987年4月14日に小惑星センターから行われました。

備考

冨田の発見やその後の観測について、さらに多くの情報が公開されており、興味を持つ方は関連の文献やデータに目を通すことをおすすめします。これにより、小惑星冨田の理解が深まることでしょう。

関連項目

• - 小惑星の一覧 (2001-3000)

参考文献

• - Asteroid Lightcurve Database (LCDB)
• - Dictionary of Minor Planet Names
• - Asteroids and comets rotation curves

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