出雲路信直

出雲路信直（いずもじ のぶなお）

出雲路信直は、慶安3年3月2日（1650年4月2日）に生まれ、元禄16年3月20日（1703年5月5日）に没した、江戸時代初期の京都下御霊神社の神主であり、神道家です。号は八鹽道翁。

来歴

初めは板垣民部信直と名乗り、後に家号を出雲路と改めました。下御霊神社の別当であった板垣元専の嫡男として生まれ、幼少の頃から神道の道へ進みました。

信直は、神道と儒学を融合させた垂加神道を確立した山崎闇斎に師事し、その高弟として才能を発揮しました。天和2年（1682年）に闇斎が亡くなると、その後継者として垂加神道の発展に大きく貢献しました。玉木正英など、多くの門弟を育成したことでも知られています。

貞享元年（1684年）には、下御霊神社の別当職を継承し、その後神主となり、家号を初めて出雲路と称しました。下御霊神社では、闇斎の霊を祀る「垂加霊社」を建立し、闇斎の肖像画や遺品を奉納しました。

霊元天皇は退位後、修学院山荘へ行幸する際に度々下御霊神社を訪問し、信直と親交を深めました。天皇崩御の際、孝霊天皇・孝元天皇から「霊元」の追号を採用するように遺詔し、一条兼香と出雲路直元（信直の嫡男）に同社に神として祀るように指示した背景には、信直父子を介して垂加神道の影響があった可能性が指摘されています。

親族

板垣氏は、清和源氏義光流（甲斐源氏）武田氏の支流で、板垣信方の嫡子である板垣信憲の次男、板垣正寅を祖とします。正寅の子が板垣正善です。

曽祖父：板垣正善（母は下御霊神社神主斎部信英の娘）
祖父：板垣摂紅（1574年 - 1670年）下御霊社別当法印
父：板垣元専（1619年 - 1689年）下御霊社別当
本人：出雲路信直（板垣民部）下御霊神社神主
長男：出雲路直元（摂津守）（1682年 - 1748年）下御霊神社神主
孫：出雲路守信（大和守）（1711年 - 1759年）下御霊神社神主
二男：松室重元（松室重備の養子となる）
長女：上司延親の室
二女：土佐藩家老・深尾繁峯の側室
三女：土佐藩馬廻・乾正清の継室

参考文献

『出雲路信直日記』
『出雲路家略系譜』
* 『遠碧軒記』黒川道祐著

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