下御霊神社

下御霊神社（しもごりょうじんじゃ）

下御霊神社は、京都市中京区下御霊前町に鎮座する神社です。その名は、上御霊神社と対をなすものとして知られています。かつては府社という社格に位置づけられていました。

歴史

その歴史は、桓武天皇の時代に各地で疫病が流行したことに端を発します。人々はこれを御霊の祟りと考え、貞観5年（863年）5月20日に平安京の神泉苑で御霊会を催しました。この御霊会が、下御霊神社および上御霊神社の創祀とされています。古来より、京都御所の産土神として、朝廷からの崇敬を集めてきました。

元々は、愛宕郡出雲郷の出雲路にあった下出雲寺御霊堂に祀られていました。その北方には、上出雲寺御霊堂と呼ばれた上御霊神社がありました。その後、新町出水へと移され、天正18年（1590年）には豊臣秀吉による都市整備に伴い、現在の地、すなわち西園寺実氏の別荘・常盤井殿があった場所へと遷座しました。

享保年間（1716年 - 1736年）には、霊元天皇の霊が合祀されています。

現在の社殿は、天明8年（1788年）の天明の大火で旧社殿が焼失した後、仮皇居の内侍所仮殿を寛政3年（1791年）に移築したものです。

明治時代に入ると、府社に列せられました。

また、式内社研究家の志賀剛は、『延喜式神名帳』に記載されている出雲井於神社（式内大社）を当社に比定しています。

祭神

下御霊神社では、以下の八柱の神々が「八所御霊」として祀られています。

吉備聖霊（吉備真備とされることが多いですが、神社側は六座の神霊の和魂と解釈しています）
崇道天皇（桓武天皇の皇太子、早良親王）
伊予親王（桓武天皇の皇子）
藤原大夫人（伊予親王の母、藤原吉子）
藤大夫（藤原広嗣）
橘大夫（橘逸勢）
文大夫（文屋宮田麻呂）
火雷天神（菅原道真とされることも多いですが、神社側は六座の神霊の荒魂と解釈しています）

これらの神々は、いずれも政争に巻き込まれて憤死した人々であり、その怨霊を慰めるために当社が創建されました。

相殿には、天中柱皇神として霊元天皇が祀られています。これは、当時の神主であった出雲路信直・直元父子が天皇と親交があったことによると考えられています。

境内

境内には、以下の建造物があります。

本殿（京都市指定有形文化財） - 寛政3年（1791年）に仮皇居の内侍所仮殿を移築したもの。
幣殿（京都市指定有形文化財）
廻廊（京都市指定有形文化財）
拝所（京都市指定有形文化財）
拝殿
社務所
神明社（内宮・外宮）
八幡社
春日社 - 文政年間（1818年 - 1831年）建立。
猿田彦社・垂加社・柿本社 - 猿田彦の他、垂加[[神道]]を唱えた山崎闇斎と柿本人麻呂を祀る。
稲荷社
宗像社
天満宮社 - 祭神：北野大神
大国主社
五社相殿社 - 斎部社、大将軍社、高知穂社、愛宕社、日吉社
神楽所
鳳輿舎
神門

文化財

下御霊神社には、以下の文化財があります。

重要文化財
霊元天皇宸翰御祈願文
京都市指定有形文化財
本殿
幣殿
拝所
* 廻廊

祭事

明治時代までは、神輿迎が7月18日に、御霊祭が8月18日に行われていましたが、明治以降は5月1日が神幸祭、18日が還幸祭と改められました。8月18日は例祭日と定められ、東遊が奉奏されます。現在では、還幸祭は5月の第3か第4日曜日に行われており、宵宮では地域の小学校と連携した子供神輿も催されています。

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