劉放

劉放（りゅう ほう）

劉放（生年不詳 - 250年）は、中国後漢末期から三国時代の魏にかけて活躍した政治家。字は子棄（しき）。幽州涿郡方城県（現在の河北省）出身。

生涯

前漢の武帝の皇子、燕剌王劉旦（えんらつおう りゅうたん）の末裔。郡の役人としてそのキャリアをスタートさせ、孝廉に推挙されるも、戦乱を避けて漁陽郡の豪族、王松（おうしょう）を頼った。官渡の戦いで曹操が袁紹に勝利すると、王松を説得して曹操に帰順させた。曹操は劉放の才能を認め、参司空軍事に取り立て、以後、主簿記室や県令などを歴任した。

曹丕（文帝）が魏を建国すると、秘書郎を経て中書監に昇進し、政治の中枢を担う。曹叡（明帝）の時代には、皇帝の信任をさらに得て、呉との外交において、孫権の文書を改ざんして蜀漢の諸葛亮に渡すことで、呉と蜀を離間させる策を講じた。また、司馬懿による公孫淵討伐では献策を行い、その功績により方城侯に封じられた。

明帝の死に際しては、後継者選びに深く関与した。明帝が曹宇（そうう）らに後事を託そうとした際、劉放は曹爽（そうそう）を推挙し、司馬懿をその補佐に当てるよう進言した。この進言が受け入れられ、曹爽と司馬懿が後事を託されることになった。

曹芳（斉王）が即位すると、劉放は加増を受け、光禄大夫、驃騎将軍を歴任。晩年は官を退き、特進の待遇を受けた。250年に没し、敬侯（けいこう）と諡された。

劉放は文書作成能力に長けており、曹操から曹叡までの曹氏三代にわたる文書の多くは彼の手によるものだった。陳寿は、劉放の才能は孫資（そんし）より優れていたが、品性では劣っていたと評している。

子女

劉正
劉許
劉熙
張華の妻

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