功労章

功労章とは

功労章とは、国や地方公共団体、公益法人などが、特定の分野で顕著な功績を上げた個人や団体を称えるために授与する記章です。勲章のように制服等に着用できますが、各官庁や団体がそれぞれの法令や規定に基づいて運用している点が異なります。

国の功労章

国が運用する功労章には、以下のようなものがあります。

特別防衛功労章: 内閣総理大臣が授与する、特に顕著な防衛に関する功績を上げた者に贈られる章。
防衛功労章: 防衛大臣が授与する、防衛に関する功績を上げた者に贈られる章。1級から3級までがある。
民生委員・児童委員功労章: 厚生労働大臣が、長年にわたり民生委員や児童委員として地域福祉に貢献した者に贈られる章。
警察功労章: 警察庁長官が、警察業務に顕著な功績を上げた警察職員に贈られる章。
消防庁長官表彰功労章: 消防庁長官が、消防吏員、消防団員、消防庁職員として顕著な功績を上げた者に贈られる章。

地方公共団体等の功労章

地方公共団体や公益法人などが授与する功労章には、以下のようなものがあります。

市政功労章: 市町村が、市政や地域自治に貢献した市民に贈る章。
消防関係功労章: 日本消防協会や各都道府県消防協会、市町村、消防団などが授与する、消防活動に貢献した者への章。
内助功労章: 一部の自治体で、消防団員の家族など、消防活動を内助した者に贈られる章。

その他の主な功労章

県民功労章: 各都道府県が、県政に貢献した県民に贈る章。
特別功労章: 特定の分野で特に顕著な功績を上げた者に贈る章。
永年勤続功労章: 長年にわたり特定の業務に貢献した者に贈る章。
一等功労章、二等功労章、三等功労章: 功績の程度に応じて等級を分けた章。
献血功労章: 日本赤十字社が制定していた、献血に貢献した者に贈る章（現在は廃止）。
救助特別功労章、救助功労章、救助出動回数功労章: 日本水難救済会が、水難救助に貢献した者に贈る章。
公益法人の功労章: 各公益法人が、それぞれの活動に貢献した会員などに贈る章。

外国の顕彰と「功労章」

ヨーロッパの勲章や記章は、日本のものとは区別が異なる場合があります。例えば、ドイツでは「Verdienstorden」という、特定の分野での功績に対して贈られるものが「功労勲章」または「功労章」と訳されることがあります。

フランスでは、以下のような勲章や記章が「功労勲章」や「功労章」と訳されています。

国家功労勲章: フランスの国家的な功労を称える勲章。
教育功労章: 教育分野で貢献した者に贈られる章。
農事功労章: 農業分野で貢献した者に贈られる章。
青少年スポーツ功労章: 青少年スポーツの振興に貢献した者に贈られる章。

功労章は、社会への貢献を可視化し、人々の活動を奨励する重要な役割を担っています。これらの記章は、個人の栄誉だけでなく、社会全体の進歩と発展にも繋がるものです。

参考資料

岩倉規夫、藤樫準二 『日本の勲章 —日本の表彰制度—』 第一法規出版、1965年
小川賢治 『勲章の社会学』 晃洋書房、2009年、ISBN 978-4-7710-2039-9
公益社団法人隊友会ウェブサイト「会員記章と隊友功労章等のご案内」 (2016年6月9日閲覧)

関連項目

勲章
栄章
警察功労章
消防庁長官表彰功労章
消防庁長官表彰永年勤続功労章
消防庁長官表彰国際協力功労章
栄誉章
名誉章
勲功章
功績章
有功章
精勤章
* 優良章

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