北浦昭義

北浦昭義

北浦昭義（きたうら あきよし、1940年4月10日 - ）は、日本の俳優。昭和の映画・テレビドラマ界において、欠かせない存在として活躍しました。そのキャリアは、広島での被爆体験という困難を乗り越え、数々の作品で個性的な役柄を演じ続けたことで築かれています。

生い立ちと被爆体験

1940年、北浦昭義は長崎県に生まれ、その後広島県広島市で育ちました。5歳の時、広島市への原子爆弾投下により被爆。爆心地から1.9キロという至近距離で被爆しましたが、奇跡的に軽傷で済みました。この被爆体験は、彼の人生に深く刻まれ、被爆者手帳を持つこととなりました。

俳優への道

広島大学附属高等学校から一橋大学を目指すも志望を果たせず、一浪後、日本大学芸術学部演劇科へ進学。大学在学中の1966年、森繁久彌主演の東宝映画「駅前シリーズ」の一作である『喜劇 駅前競馬』でデビューを果たします。この作品をきっかけに、数多くの映画やテレビドラマに出演する道が開かれました。

脇役としての活躍

北浦昭義は、主役を演じることは少なかったものの、その存在感は圧倒的でした。サラリーマン、刑事、教師、酒場のマスターなど、様々な職業の人物を演じ、作品に深みを与えました。特に1980年代には、"中年男の哀愁を演じる俳優"としてマスメディアに取り上げられ、その演技力が高く評価されました。地味ながらも味わい深い演技は、多くの観客の心に残り、作品を彩りました。

主な出演作品

映画

駅前シリーズ（若い警官、青年、桜井、松川先生、宮本、潜水夫、黒メガネ役など）
青春太郎
新・事件記者 殺意の丘
ドリフターズですよ！盗って盗って盗りまくれ!
愛のきずな
いい湯だな 全員集合!!
その人は女教師!
ひらヒラ社員夕日くん ガールハントの巻!
喜劇 右むけェ左!
白昼の襲撃!
喜劇 昨日の敵は今日も敵!
西のペテン師 東のサギ師
起きて転んでまた起きて
湯けむり110番 いるかの大将!
恍惚の人
卒業旅行　Little Adventurer!
無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ!
二十歳の原点
喜劇 だましの仁義
あした輝く
しあわせの一番星
愛と誠
愛こんにちは
ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!!
夜霧の訪問者
おれの行く道
青春の蹉跌
冒険者たち
星と嵐
俺の選んだ女
ブルークリスマス
冬の華
連合艦隊

テレビドラマ

怪獣王子
あひるの学校
大河ドラマ
竜馬がゆく
勝海舟
風と雲と虹と
草燃える
ゼロファイター
サインはV
鬼平犯科帳 (八代目松本幸四郎版)
人形佐七捕物帳
刑事くん
おらんだ左近事件帖
ワン・ツウ アタック!
赤ひげ
緊急指令10-4・10-10
気になる嫁さん
パパと呼ばないで
雑居時代
6羽のかもめ
非情のライセンス
前略おふくろ様
あなただけ今晩は
プロレスの星 アステカイザー
大都会 闘いの日々
あにき
刑事犬カール
人間の証明
坂部ぎんさんを探して下さい
あさひが丘の大統領
たとえば、愛
体験時代
ザ・スペシャル 青春の昭和史Ⅱ三十秒の狙撃兵
江戸の激斗
江戸の朝焼け
新・海峡物語
結婚したい女2
松本清張の指
ガラスの知恵の輪
* 遠雷と怒涛と

人物

柔道二段の腕前を持ち、身長は174cm。1973年に1歳下の女性と結婚しましたが、子供はいませんでした。

晩年

近年は、過去の出演作が再評価され、再び注目を集めています。昭和の映画・テレビドラマ史において、北浦昭義は決して忘れることのできない名脇役の一人です。

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