北郷時久

北郷時久（ほんごう ときひさ）

北郷時久は、戦国時代に日向国（現在の宮崎県）で活躍した武将であり、北郷氏の10代目当主です。日向の庄内一帯を領有し、都之城を拠点としていました。

戦国時代の動乱

時久は、島津宗家と同盟を結び、近隣の有力な戦国大名である肝付氏や伊東氏と激しく争いました。これらの戦いでの功績が認められ、永禄5年（1562年）には、島津貴久から所領を安堵されています。また同年、伊東氏によって家督と領地を奪われていた北原氏の再興を支援するため、島津貴久や肥後国の相良義陽と共に協力しました。

大友氏との戦いと伊東氏残党の反乱

天正6年（1578年）、大友氏が日向国へ進攻してきた際には、時久は先陣を任され、宮崎城に駐屯していました。その際、前年に没落した伊東氏の残党が三納平野で反乱を起こしましたが、時久は手勢を率いてこれを鎮圧し、300余人を討ち取るという武功を挙げました。

嫡男の廃嫡

翌天正7年（1579年）には、時久は嫡男の相久と不和になり、相久を廃嫡した上で切腹させ、次男の忠虎を後継者に指名しました。この廃嫡の理由は定かではありません。

豊臣秀吉の九州征伐と移封

豊臣秀吉による九州征伐が始まると、時久は島津氏に味方して秀吉軍と戦いましたが、圧倒的な戦力差から劣勢を強いられました。その後、時久は石田三成や伊集院忠棟を通じて秀吉に謝罪し、人質を差し出したことで、所領は一旦安堵されました。しかし、後に薩摩国の祁答院（現在の鹿児島県さつま町の大半）に移封されることになります。時久は、かつての領地であった都之城を懐かしみ、移封先の居館を宮之城と名付け、これが地名として残りました。一方、都之城には伊集院忠棟が入城することになりました。

後見人として

文禄・慶長の役で忠虎が早世したため、時久は孫の長千代丸（後の北郷忠能）の後見人となりました。慶長元年（1596年）に時久は66歳で亡くなり、その後、長千代丸が家督を継ぎ、三男の三久が後見役を引き継ぎました。

まとめ

北郷時久は、戦国時代の動乱期を生き抜いた武将であり、島津氏との同盟や、大友氏との戦いなど、数々の戦に参加しました。また、家督相続においては、嫡男を廃嫡し、次男を後継者にするなど、波乱に満ちた人生を送った人物といえるでしょう。

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